09/09/22 07:30:50
長妻昭厚生労働相は、売却方針が決まっていた全国の社会保険病院(53カ所)と
厚生年金病院(10カ所)を新機関に移行させ、公営で維持する方針を固めた。
関連法案の臨時国会提出に向け、すでに検討を指示。地域医療の中核拠点を維持するため、
全病院売却という自公政権時代の政府方針を大きく転換することにした。
社保病院は中小企業向けの旧政府管掌健康保険(現・協会けんぽ)の保険料で、
厚生年金病院は公的年金の保険料で整備されてきた。しかし、保険料を使った
レクリエーション施設の整備などが「無駄遣い」と批判され、小泉政権時代の02年に
保険料による施設建設は中止。それを受けて両病院も整理合理化の方針が決まった。
その後、整理合理化計画を策定する予定だったが、社会保険庁の不祥事が相次ぎ、
策定は遅れた。昨年10月、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に
社保病院と厚生年金病院の管理を移管。今年3月から、厚労省が自治体や医療法人への
売却手続きを始めた。同機構の設置期間は来年9月末までだが、これまでに譲渡先が
決まった病院はない。
譲渡先が見つからない場合には廃院となる可能性もあり、地域の中核医療拠点が失われる
ことへの懸念も出ている。現実に、診療科を縮小したり増床計画を凍結したりする病院もある。
そこで民主党は、「地域医療推進機構(仮称)」を新設し、両病院を傘下に入れて管理、運営
させる方針を総選挙前に提示。地域の医療体制を整備する一環として、両病院を公的に
存続させることとした。
移行までの間に譲渡先が見つかれば売却するが、残りは新機構で管理運営させる考え。
船員保険病院(3カ所)についても、同様に新機構に移す方向だ。
長妻厚労相や副大臣・政務官の政務三役は、19日にこの問題の対応を協議。病院の行く末が
不透明で、このままだと地域医療の弱体化が加速しかねないため、臨時国会に法案を
提出することで方針を明確にする必要があると判断した。07年度の収支は、厚生年金病院は
4病院が、社保病院は13病院が赤字だった。病院の赤字補填(ほてん)など、財源問題が
今後の課題となる。
▽News Source asahi.com 2009年9月22日3時6分
URLリンク(www.asahi.com)
▽厚生労働省
URLリンク(www.mhlw.go.jp)