09/09/16 14:31:24
かつてユニクロを抱えるファーストリテイリングと米高級衣料バーニーズ買収を争った
アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系投資ファンド(SWF)、イスティスマル・
ワールドが、主として借入金による270億ドル規模の買収が裏目に出て、SWFとして初の
清算に追い込まれる可能性が出てきた。関係者が明らかにした。
豊富なオイルマネーを持つクウェートや同じUAEのアブダビ首長国や貿易黒字で資金豊富な
中国の政府系ファンドと異なり、イスティスマルは買収代金の90%を借入金でまかなっていた。
関係者によると、イスティスマルの親会社、ドバイ・ワールドは英バークレイズ、
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、ドイツ銀行の3行に
少なくとも15億ドルの債務がある。
ニューヨークの経済調査会社、ルービニ・グローバル・エコノミクスのSWF担当シニアアナリスト、
レイチェル・ジエンバ氏は「ドバイのSWFはプライベートエクイティ(未公開株)投資ファンド並みに
高い担保倍率で運用していた」と指摘した上で「イスティスマルの親会社の債務は相当額が期限を
迎えようとしている」と述べた。
関係者によれば、2003年以来にイスティスマルが行った買収の代金270億ドルのうち自己資金は
約25億ドル。
「ノンリコース(非遡及型)」融資で代金の75%程度をまかない、残りはイスティスマルまたは
ドバイ・ワールドが保証した銀行からの定期融資だったという。
イスティスマルの活動はドバイを世界の金融センターの一つに押し上げようとする同首長国の取り組みの
一環。
元リーマン・ブラザーズ幹部で06年からイスティスマルを率いてきたデービッド・ジャクソン氏と
前任者は、バーニーズ・ニューヨークやマンハッタンの高級ホテル、
豪華客船クイーン・エリザベス2世号、カナダのエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユ
など華やかな買収を重ねてきた。
コンサルティング会社、モニター・グループのロンドン在勤シニアアナリスト、ビクトリア・
バーバリー氏は「政府はドバイをロンドンやニューヨークと同列の金融センターにしたかった」として、
そのために「好調な時期には、世界の目を引くような買収を容認していた」と話した。
しかし、金融・経済の環境悪化で買収案件の収益性は悪化。イスティスマルは投資活動停止に
追い込まれた。関係者によると、親会社のドバイ・ワールドは少なくとも120億ドルの債務の
再編について債権団と交渉している。
(ブルームバーグ Jonathan Keehner、Serena Saitto)
ソースは
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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