09/09/16 01:49:01
4月に入社したばかりの社員を9月末で退職に追い込む「新卒切り」に対して、新入社員が立ち上がりました。
約1万人が働くコンピューター関連の人材派遣グループ(本社・東京都千代田区)では、8月末に退職勧奨を
受けた新入社員の男女4人が一人でも入れる労働組合に加入し、団体交渉を始めました。(染矢ゆう子)
労働組合によると、同グループは「うちは無借金経営」「文系でも体育学部でもちゃんと教育するから大丈夫」と
学生を安心させて、4月に約1300人という大量採用を行いました。ところが、直後から9月末までに、社員数を
1600人削減するため「退職勧奨」を始めました。
グループ傘下のA社では、8月27、28の両日、27人の新入社員のうち、19人が会社に呼び出され、「退職願」を
渡され、「拒否すればそれだけ倒産が早まる」からと書くよう強要されました。
「あまりにも突然で頭が真っ白になった」というS郎さん(22)=茨城県龍ケ崎市=。人事担当者が笑いながら話す
ことに怒りがわき、その場での提出を断りました。
前日にS郎さんから話を聞いていたT男さん(23)=東京都品川区=は社内に労働組合がないため、社外の一人でも
入れる労働組合に相談。同期の社員に声をかけ、提出期限の31日、5人が「やめません」と伝えました。
その後、「自分たちを物のように扱う姑息(こそく)なやり方は許せない。このまま辞めても何も残らない」と、4人が労働
組合に加入し、9月2日に「要求書」を提出、3日から団体交渉を行っています。
T男さんによると、退職勧奨の際、A社の人事担当は「3月に内定切りを上から指示されたが、法律上の問題から内定
切りをやめた」と話したといいます。
昨年から今年にかけて、新規学校卒業者に対する企業の一方的な内定取り消しが横行し、重大な社会問題になりました。
厳しい批判に、国も一方的な内定取り消しに対して、企業名の公表など対策を強めました。
T男さんは「内定取り消しをすると企業名が公表されるので、それを避けてこの時期の退職勧奨を計画していたのでは
ないか」と指摘しています。
利益のため“使い捨て”
4人が加入した労働組合の労働相談員の話 退職勧奨を行っているグループは、来年の決算で10%の利益を確保する
ために、1600人という削減目標を出してきたようです。
解雇は、労働者とその家族の生活を根底からくつがえす死活の問題です。自らの利益確保のために若い労働者を使い
捨てにするグループとA社に対して、人を一人解雇するとはどういうことなのか、厳しく問うていきたい。
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