09/09/13 22:34:44
「ワンコイン亭主」。昼食代が500円玉1枚のサラリーマンを揶揄する言葉だが、これはもう古い。最近は
大手スーパーが300円前後の弁当を売り出すなど、節約志向はさらに進み、価格競争は激しさを増している。
小遣いカットに悩まされるご同輩も多いはずだ。
節約は悪いことではないし、商品やサービスを見極めるのは正しいことだろう。しかし、ゆきすぎはいかがなものか。
人口100人の村があるとしよう。ミクロ経済学者は「全員がa円得すれば、村全体の富は100×a円増える」
という。しかしマクロ経済学者は、「村全体の富の増加は単純に個々が得した分の合計ではない」と反論する。
誰かが得をするということは、別の誰かが自らの富を差し出している可能性があるからだ。
所得のうち、消費に回す割合のことを「消費性向」という。もし消費性向が1(所得のすべてを消費に回す)なら、
すべての所得は消費を通して企業の売り上げに転換され、最終的に消費したのと同じ額が所得として自分の
懐に戻ってくる。
しかし、消費性向が0.5に下がると、半分のお金は個人の手元に滞留し、世の中に出回るお金の量は減る。
その結果、所得も減少を余儀なくされる。そして、その減った所得の半分しか消費しなければ、ますますお金の
流れは悪くなり、所得はさらに減少する。
現実の世界を見渡してみよう。ボーナスカットなどで収入が減った今、飲食も、服飾も、繁盛店は低価格帯の
店ばかりだ。大胆な値下げを行うことで、ヒットが生まれている。人々は所得の目減りを補えるような消費行動を
とるようになり、供給側もそれに合わせた商いを行っている。消費性向の低下が現実に起きているのだ。
消費性向を抑えるのは、貯蓄をしたいから。もちろん貯蓄をするのは悪いことではないし、日本人の美徳と
いっていいかもしれない。低所得化で貯蓄率は低下傾向にあるが、それでも貯蓄に励むのは「将来の不安に
備えたい」「富を増やしたい」という思いからである。
▽執筆者
柴山政行…公認会計士・税理士
▽ソース:PRESIDENT (Yahoo!ニュース) (2009/09/11)
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
▽前スレッド:★1が立った時刻 2009/09/12(土) 01:27:49
【コラム】「合成の誤謬」なぜ節約・貯蓄が不況を招くのか?(PRESIDENT)[09/09/11]
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