09/08/15 07:16:41
賃貸住宅入居者の連帯保証を請け負っている家賃保証会社が共同で、滞納者らの
信用情報の一括管理に乗り出す。情報のデータベース(DB)化を進める社団法人を今月末に
設立する。家賃滞納者のブラックリストをつくり、滞納常習者を締め出す。
家賃を一度でも滞納してリストに載ってしまえば、その後の住まい探しが困難になる
恐れがある。
DB化は、家賃保証会社約40社で作る「賃貸保証制度協議会」が19日にも方針を決め、
31日までに「全国賃貸保証業協会」を発足させる。当初は家賃保証会社15社前後の参加を
見込む。上部組織で、賃貸住宅管理者ら約1100社が加盟する「日本賃貸住宅管理協会
(日管協)」も信用情報を共有する構想もある。実現すれば、約1260万戸の民間賃貸市場の
4分の1をカバーしたDBができる。
会員となる会社は、保証している入居者の滞納額など家賃支払い状況を登録。
当初参加する15社の新規契約は年約120万件を想定。滞納の発生率は1割前後とされるため、
年12万件の滞納情報が蓄積される見込みだ。
保証会社が今後契約する分が対象で、入居者の同意を得て登録する。更新契約も対象になる。
ただ、立場の弱い入居者が契約時に登録を拒むことは実際は難しいとみられる。
明け渡し訴訟の情報は過去のデータも記録される。
制度の詳細は未定だが、入居者は個人情報保護法に基づき、自分の登録データの開示を求め、
間違いがあれば訂正することも可能になる見込みだ。だが、そうした手続きをとらなければ、
入居者がリストの内容を知ることはない。契約の際、家主側から一方的に拒まれる恐れは
消えない。
DB構想の背景には、不況で収入が減り、家賃を払えない入居者が増えている事情がある。
保証会社が家賃を肩代わりするケースが続出し、保証会社による悪質な「追い出し」も
社会問題化した。このため、家賃滞納などのトラブルを未然に防止する方策として、
DB構想が浮上した。
業界側は、家賃をきちんと払っている入居者の信用力を高め、職業や年齢、国籍などを
理由に門前払いされるケースを防止できると強調している。ただ一時的な家賃滞納でも、
いったんDBに載れば、常習者と同様に賃貸住宅を借りにくくなる可能性がある。
日本では、「住まい」は様々な権利の基点とされる。住居がないと住民票が作れず、
国民健康保険や年金が得られなかったり、選挙に行けなくなったりする恐れがある。
生活困窮者のアパート入居の際の連帯保証人になっているNPO法人「自立生活サポート
センター・もやい」の湯浅誠事務局長は「業者から一方的に『悪質』と認定され、
ホームレスになる人が増える恐れがある。雇用政策や福祉対策も考えないと、
社会を不安定にする要素がさらに増えてしまう」と批判する。(織田一、久保智)
>>2に続く
▽News Source asahi.com 2009年8月15日3時0分
URLリンク(www.asahi.com)
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▽賃貸保証制度協議会
URLリンク(www.jpm.jp)