09/08/04 23:57:47
>>1の続き
そんな山口副総裁も、6月の消費者物価指数を見て少しは認識を改めただろうと思っていたら、それも肩すかしに終わった。
7月22日の記者会見では、
「われわれが物価情勢についてもっとも注意しているのは、物価下落と景気後退の相乗作用的なことが起きないかどうかだが、
そこについては現状、そうした状態に陥るリスクは小さいと思っている」というのである。
こうした認識には唖然とするほかない。
副総裁が副総裁ならば、総裁も総裁である。
少し前になるが、白川方明総裁は6月16日に会見を開いて考えを述べている。
それによれば、現在の「極めて異例」な金融緩和策について、
「企業金融の動向、効果なども点検し、9月末までの適切な時期に判断していく」と述べた。
白川総裁のいう「極めて異例」な金融緩和策とは、社債やコマーシャルペーパーを購入して資金供給をしていることを指している。
早い話が、こうした緩和策を、可能ならば9月末までにやめて、金融引き締めへの政策転換を図るというわけだ。
だが、それは逆ではないか。
現在のような景気の状態で金融引き締めをしたら、大変なことになってしまう。
いまやるべきなのは、間違いなく金融緩和である。
「安くしないと売れない」ことによる異常な叩き売り合戦
日銀の幹部は現実の国民生活が見えていないのだろうか。
マーケットを素直に見たら、異様なことが起きているのは、誰の目にも明らかだ。
例えばイオンは、7月24日からプライベートブランドで「第三のビール」を100円で売り出した。
ダイエーに至っては、通常価格89円の第三のビールを、8月2日までの期限付きながら79円に値下げしている。
コンビニ弁当は200円台どころか、とうとう100円弁当が登場した。
ローソンの子会社が経営しているコンビニ「ローソンストア100」では、なんとさまざまな種類の100円(税込105円)弁当が販売されているのだ。
例えばピラフとナポリタンのセットで100円、ざるそばもざるうどんも100 円。
おかずもまた100円で各種揃っていて、わたしもこのところお世話になっている。
量が少なめなので、わたしの場合は2つ買うことにしているが、それでも200円(税込210円)である。
それほど食欲旺盛ではない人、とくに女性なら1つで十分足りるだろう。
それにしても、冷静に考えてこれまで100円の弁当などあっただろうか。
しかも、期限切れ間近になると80円で売られている。カップラーメンなど今や68円だ。
自分で買って文句をいうのもなんだが、異常な安値である。
どこかおかしいのではないかとさえ思えてくる。
各スーパーもまた、昨年から競って値下げ合戦を繰り返している。
小売業界の人に聞くと、誰もが口を揃えて「安くしないと売れない」という。
もはや、消耗戦に突入したといっていい状況だ。
こうした状況を目にすれば、少なくとも普通の生活実感を持っている人ならば、「叩き売りになっている」と感じるはずだ。
もちろん、大手スーパーが値下げ攻勢を強めれば、当然仕入れ先のメーカーにも値下げ要求という形でしわ寄せが行くし、
競合する中小小売店は顧客を奪われて経営が厳しくなる。
いったい、日銀のお偉方はどこを見ているのか。
いい家に住んで、たっぷりと給料をもらっているから、庶民の生活など目に入らないのだろうか。
>>3に続く