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★プリウス・バブルの副作用、絶好調の裏で始まったトヨタの“内なる崩壊”
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6月の新車販売ランキングで、ついにトヨタの新型「プリウス」がトップに躍り出た。
2位のスズキ「ワゴンR」に大差をつけ、前年同月比3・6倍に当たる2・2万台を記録。
軽自動車も含めたランキングで登録車が首位に立つのは、2007年12月のホンダ
「フィット」以来のことだ。5月18日の発売以来、ハイブリッド車で205万円という
安さに加え、エコカー減税等の政府支援策も追い風となった形である。
月販1万台のメーカー目標に対し受注は20万台超。トヨタおひざ元である愛知県の
大手ディーラーは、6月に受注した全3400台のうち、5割以上の2000台近くを
プリウスが占めた。おかげで7月1日現在、プリウスを注文した客は、10年3月上旬
以降まで納車を待たなければならない。
まさに異常なまでのプリウスブーム。だが、市場全体(登録車)を見るかぎり、6月は
ホンダが6・3%増と堅調だった反面、トヨタは10・8%減と依然、2ケタ減が続く。
1車種に偏ったプリウス“バブル”には、危険な兆候も見え隠れする。
「みんながプリウスという大皿から、まず食べようとする。こっちには専用の皿もあるのに……」
そう嘆くのはトヨタ自動車のある役員。トヨタ系のネッツ店で、ミニバンの旧「ウィッシュ」からの
買い替えが新型ウィッシュではなく、新型プリウスに流れたからだ。
4月に新型が出たばかりのウィッシュだが、6月には早くも前月比マイナスとなる異常事態。
ウィッシュもエコカー減税などの恩恵があるとはいえ、「3列シートを必要としない客が
プリウスに買い替えている」(同)。ネッツ店からすれば、いくら売れてもプリウスは
トヨタ系の4チャネルすべてが扱う「オールTOYOTA」の商品。ネッツ店専売のウィッシュが
このありさまでは、ネッツ店の存在意義にもかかわる。
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確かに3代目となる新型プリウスの下取りで最多なのは、2代目の旧プリウス。ところが
意外なことに「クラウン」などの下取りも多いという。クラウンといえば、国産高級車の代名詞。
“いつかはクラウン”のコピーどおり、所得が上がるにつれ最終的にたどり着くクルマで、
社有車も多い。販売するトヨタ店にすればクラウンのオーナーは、いわば黙っていても
買い替えてくれる優良顧客だ。それが値段の安いプリウスに流れることは、いくら台数が
稼げるとはいえ、採算低下に直結する。(>>2-5につづく)
ソース:東洋経済オンライン(週刊東洋経済) 09/07/31 | 12:20
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