09/07/04 06:25:38
全国でダム事業を展開する独立行政法人「水資源機構」(さいたま市)の08年度の
一般競争入札で、機構OBの多数天下る2社が、参加した入札の約9割の受注に成功
していたことが朝日新聞の調べでわかった。その大半は1業者しか応札せず事実上
競争相手のいない「一者応札」だった。機構は契約の透明性を確保するため従来の
随意契約を一般競争入札に移してきたが、実際には受注実績などの厳しい条件を設け、
特定業者以外は入札しにくい仕組みを築き、競争を「骨抜き」にしていた。
この2社は建設コンサルタント「アクアテルス」(アクア社、さいたま市)と、
その子会社の「オーテーシー」(OTC、東京都)。アクア社は機構OBが社長で、
ほかにも09年4月時点でアクア社には30人、OTCには9人のOBが役職員と
して在籍。アクア社には国土交通省OBも06年に3人、07年に1人が天下った。
朝日新聞の情報開示請求に対し、機構が開示した資料などによると、08年度の一般
競争入札907件(少額契約は除く)のうち、アクア社とOTCは計276件の入札
に参加し、約91%の252件(48億円)を受注。このうち217件(43億円)
はアクア社またはOTCだけが入札した一者応札だった。
特に多いのが公用車の委託、書類作成補助などの「物品役務業務」。207件(30
億円)を受注し、この業務の発注額の51%を占めている。2社に続く富士通や日本
無線の受注は十数件と格段に少なかった。
アクア社とOTCは「工事」「コンサルタント」などでも計45件(18億円)を
受注していた。
割高な落札率(予定価格に対する入札価格の割合)も判明。工事とコンサルタントの
一般競争入札の平均落札率は90.3%だが、アクア社など2社の平均は94.3%、
このうち一者応札の平均は95.9%。アクア社では99.7%という例もあった。
物品役務の落札率は公表されなかった。
機構によると、機構の一般競争入札は、多くに(1)過去に官公庁などから同種業務
を受注(2)機構の事業所周辺に本店、支店がある、などの条件があり、新規参入が
難しい仕組みとなっていた。また、一般競争に移行したことや個々の入札参加募集を
幅広く広報していなかった。
その結果、機構の一般競争入札は7割が一者応札という異常事態になっている。
機構の事業費は国費のほか、受益者の負担金などが用いられている。08年度予算では
国費457億円、財政融資115億円が投入されている。
●水資源機構の一社応札の仕組み
URLリンク(www.asahi.com)
●水資源機構利根川下流総合管理所。ここでも清掃など物品役務業務の
大半は天下り会社が受注していた
URLリンク(www.asahi.com)
◎独立行政法人 水資源機構 URLリンク(www.water.go.jp)
◎株式会社 アクアテルス URLリンク(www.aquatellus.co.jp)
◎ソース
URLリンク(www.asahi.com)