09/07/03 17:02:39
米人気歌手マイケル・ジャクソンが保有するビートルズ楽曲の版権という
貴重な財産が、債務のため、まもなく売却されてしまうかもしれない。
マイケル・ジャクソンは英国へ発つ前に死んだ。復帰ツアーよりももっと意義のある
はずだった50公演の開幕直前に。
コンサートの収益は、ジャクソンさんの推定5億ドルに迫る債務を弁済するための
切り札となるはずだった。
これだけの金額の借入を債権者らが容認していたのは、ジャクソンさんが大きな利益を
生む担保を差し出していたからだ。ビートルズの250楽曲を含む何十万曲もの版権の
50%がその担保であった。
こうした債権者らが、ジャクソンさんの財産から速やかな回収を求めた場合、ジャク
ソンさん所有の版権は、清算売却を余儀なくされる可能性がある。
キング・オブ・ポップ(ポップスの帝王)と称されたジャクソンさんだが、全世界で
7億5000万枚に上るアルバムやビデオなどの売上利益は、1泊1万ドルのホテル宿泊費や
自宅兼大型遊戯施設ネバーランドの建設と維持・管理に消えた。
しかし、ジャクソンさんは財政面で一つ賢明な選択をしていた。それは1985年に、
(楽曲の版権を)4750万ドルで購入したことだ。10年後、ソニーはジャクソンさんが
保有している版権の半分を取得するために9000万ドルを支払い、合弁会社ソニーATVを
設立した。今日、同社の価値ははるかに上がっている。
「マイケルさんが所有していたのは、存在している楽曲カタログの中で最高のものだ。
ナンバーワンヒットの曲がこれほど含まれている楽曲カタログに価格を付けることは
難しい」と、(エンターテインメント関連PRで世界最大の仲買会社である)Platinum
Rye のRyan Schinman社長は語る。
Schinman氏は、ジャクソンさんが保有していた楽曲カタログには15億ドルの価値がある
とみる。つまり、ジャクソンさんの持ち分は7億 5000万ドル相当。業界の大ざっぱな
目安に従えば、楽曲カタログは毎年5~7%の現金価値をもたらすため、ジャクソンさん
は毎年8000万ドルほどの収益を手にしていたことになる。
しかし、借金返済の本当の保証は、予定されていたコンサートであり、ワールドツアー
実現の可能性だった。ロンドン公演はジャクソンさんに純益5000万ドルをもたらし、
ワールドツアーともなれば何億ドルにもなるはずだった。
ジャクソンさんの財産には、彼自身の楽曲の多くも含まれるが、目玉はやはりビートルズ
の版権だろう。これらは秩序ある売却がされない限り、最大の価値を得ることはできない。
「債権者らはジャクソンさんの急死を受け、遺産管理人に対して60日以内の債務履行を
主張する可能性がある」と、Wedbush Morganのアナリスト、Chris White氏は言う。
「その場合、合弁会社ソニーATVの清算売却を検討しなければならない」とも語る。
別の言い方をすれば、債権者はソニーATVについて有している担保権を行使するかも
しれない。同社はこのような動きを阻止するか、ジャクソンさんの権利を買い取る道が
ある。
ソニーATVの担当者は、コメントを拒否した。
※もう少し続きます。
◎ソース
URLリンク(www.nikkeibp.co.jp)