09/06/28 11:12:05
国立や独立行政法人の研究機関に所属する研究者の7割が今後の研究環境に不安を感じていることが、
研究者の労働組合でつくる国立試験研究機関全国交流集会実行委員会の調査で分かった。
「抑うつ」「焦燥感」など健康状態に問題を感じる研究者も7割近い。
最近の早期結果を求める成果至上主義に、強い不安や閉塞(へいそく)感が広がっているとみられる。
4~5月、インターネットで調査。
実行委に所属する労組のうち15単組736人が回答した。
男性83%、女性17%で、終身雇用の研究者は93%だった。
今後の研究環境に不安を感じると回答したのは71%。
「役立つ成果ばかり求められ、基礎研究の研究費が得にくい」「失敗を許容する雰囲気が薄れつつある」などの理由を挙げた。
不安を感じない人は4%だった。
また、疲労感や無力感、孤独感など65%が何らかの問題を抱えていた。
具体的には「生きていく自信がない」「軽いうつと診断された」「睡眠不足」など、強いストレスを受けている様子がうかがえた。
「特に問題ない」は28%にとどまった。
伊藤武・副実行委員長は「終身雇用の研究者も研究環境に強い不安を抱いている。
最近は任期付きなど、不安定な立場の研究者も増えた。
強い不安の中で良い成果が出るとは思えず、研究環境の改善を訴えたい」と話す。
▽隅蔵康一・政策研究大学院大学准教授(科学技術政策論)の話
研究の世界はもともと成果主義で激しい競争にさらされているが、バランスが大切だ。
ソース:毎日jp
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