09/06/14 06:01:10
東京・秋葉原の無差別殺傷事件から1年。久しぶりに訪ねた「オタクの聖地」は
事件を忘れたかのように人込みであふれていた。散策中、先輩記者から以前聞いた
言葉を思い出す。「秋葉原のメード喫茶で『金沢カレー』を出しているらしい」。
ちょうど小腹がすいてきた。東京支社勤務で金沢カレーが懐かしいこのごろ。
あの濃い味を求めて店を探した。
「いらっしゃいませ」。JR秋葉原駅から歩くこと数分。「Cure Maid Cafe」に
入ると、ロングスカートのメード服の店員が迎えてくれた。店の広報担当者によると、
同カフェは2001年にオープン。秋葉原にメード文化が根付く前から営業する
「メード喫茶の元祖」と呼ばれる店だ。
メニューを見ると、「チャンピオンカレー」とあった。加えたきっかけは、石川県
出身の運営スタッフが「地元にうまいカレーがある」と推薦したのだとか。チャン
ピオンカレー(野々市町)からルーの提供を受け、調理している。販売開始から
かれこれ7年。豊富なメニューの中で、毎日約30食出る「今でもダントツの一番
人気」(広報担当者)という。
注文すると、おなじみの金属の器でなく、白い陶器に盛られたカレーが運ばれてきた。
ソースとルーが混ざり合った懐かしい味が口の中に広がる。カツは本家よりも細かく
切ってあり、細いものは5ミリ程度だ。メードさんに聞くと、「キャベツと合わせて
食べやすくしたのが発端。細さの限界に挑戦しようという話になり、今の形となり
ました」。この店ならではのエピソードを語ってくれた。
秋葉原には「ゴーゴーカレー」(金沢市)と、小松市に本店がある「カレーの市民
アルバ」も店を構える。半径約100メートル以内で3つの石川のカレーを味わう
ことができる「激戦区」なのだ。
ゴーゴーは05年に1号店、昨年12月には2店舗目を開業。アルバも昨年4月に
首都圏5番目の店を秋葉原で始めた。アルバは金沢カレーではなく「加賀カレー」と
銘打っている。
「癖になる」と言われる石川のカレー。メードさんは「ほとんどがリピーター」と
話していた。一つのことをとことん追求する気質を持つ人たちが集う地で、ふるさとの
カレーはしっかり存在感を示していた。
◎メード喫茶で提供されているチャンピオンカレー=東京・外神田
URLリンク(www.hokkoku.co.jp)
◎ソース
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