09/06/10 00:39:11
TOEICスコアを「昇進・昇格の要件にしている」企業は「将来は要件にしたい」も合わせて約5割に達し、
「採用時に考慮している」企業は「将来は考慮したい」も合わせて7割にもなる―。
TOEICがビジネスパーソンおよびその予備軍に圧倒的な人気を誇るゆえんだ。
現在、2700の企業や団体が採用し、2008年度は170万人が受験した。
しかしその人気の一方で、企業の間からはこんな声も聞こえてくる。
「TOEICの点は高いのに、ビジネスの現場では使いものにならない」と。
この超人気英語資格にいま何が起きているのか―。
「TOEICは対策次第で点数を増やせる」と明言するのは、
TOEICを10回以上受け、最高時で900点のスコアを持つ40代男性だ。
「何度も受けているうちに出題のパターンが見えてくる。
そのパターンも20種類くらいに限られているので、
自分の読みがすべて当たれば、実際の実力プラス70~80点は取れる。
しかし職場では“ネイティブ並みに英語ができる”と勘違いされ、後で苦労した」と苦笑する。
反対に「どんなに英語力のある人でも、いきなり受けたら700点くらいしか取れないのでは? 」と語るのは、
海外でMBAを取得した30代女性だ。
TOEICには独特の技術が必要だという。
「初めてヒアリングの問題を受けたときには、写真の中の人物についての解説が延々と続き、
“いったい何が始まるのだろう”と途方に暮れているうちに終わってしまった」
しかしコツがつかめると、「写真を見た段階であらかじめ答えの察しがつく」というのは前述の男性と同じ。
「そのスコアアップを純粋な英語力アップと言えるかは疑問です」。
かつてビジネスパーソンの英語力は、
世界共通のTOEFLや英検、あるいは企業が独自に作成した試験などによって測られていた。
しかし、1979年に当時の通商産業省などの肝入りでTOEICが登場すると、
ビジネス英語に特化した点と、スコア評価による利便性が受け、企業が競って導入。
就職対策の学生などにも裾野が広がっていった。
就職戦線と連動する新入社員の平均スコア
これだけ日本人の英語熱が高まっているにもかかわらず、
世間では相変わらず「日本人は英語ができない」という評価が一般的だ。
本当のところはどうなのか。
「TOEICの過去30年の平均点の推移を見るかぎり、受験者全体のスコアはほぼ一定している。
受験者数が増え、裾野も広がっているのに、一定しているということは、
むしろ全体の英語力は底上げされているのではないかと見ている」
(TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会広報渉外部)。
興味深いのは、新入社員の平均点だけを抜き出すと、90年代後半以降の就職氷河期にかけて右肩上がりで上昇しており、
就職が売り手市場に転じると、緩やかに下降し始めている点だ。
となると今後、新入社員の英語力は再び上昇していく可能性が高いということになるか。
>>2に続く
ソース:東洋経済オンライン
URLリンク(www.toyokeizai.net)