09/06/05 17:47:57
消費者金融大手、アイフル(京都)への投資は相当リスクがある-。
米国の大手格付け会社がこんな判断を下し、市場や業界にショックが走っている。
格付けが予想外に大きく引き下げられた背景には、「しばらく続きそうな過払い
利息の返還請求」と「資金調達面での不安」があり、市場関係者も同社の動向を
注意深く見守っている。
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5月28日、アイフルの
企業としての格付けと、同社の長期無担保債務の格付けを、上から10番目の
「Baa3」から12番目の「Ba2」へと2ランクも一気に引き下げた。
格付けとは、債券を発行した企業が利息や元本をきちんと支払えるかどうか、信用の
度合いを示すもの。格付けが高いほど、債券の元利払いがきちんと行われる可能性が
高く、信用のある企業ということになる。
ムーディーズは、格付けを最上位の「Aaa」(トリプルA)クラスから最下位の
「C」クラスまで全21段階に区分。
債券市場では、これらの格付けのうち「Baa(トリプルB)」クラスまでが投資に
適した「投資適格」とみなされている。
アイフルに付けられた「Ba(ダブルB)」クラスより下の格付けは、投機的で
「投資不適格」とみなされる。そのような格付けの債券は、市場関係者の間で
「ジャンク(ガラクタ)債」と呼ばれており、国内の事業会社で該当するのはソフト
バンク(Ba2)、パイオニア(B1)などわずかしかない。
大幅格下げの要因の1つは、利息制限法の上限金利を超えた部分の利息(過払い利息)
の返還請求が利用者から相次ぎ、巨額損失の計上を強いられていることだ。
ムーディーズは当初、利息返還請求は改正貸金業法が完全施行される10年6月までに
峠を越すと想定していた。それを今回、完全施行後1、2年は高水準で推移しそうだと
見直した。返還請求に絡む損失計上がさらに長引く可能性が出てきたため、格下げを
行ったわけだ。
アイフルの場合、2009年3月期の利息返還金と債権放棄額の合計は1415億円。
引当金を09年3月末時点で2127億円積んでいるが、10年3月期も1254億円
を見込む。返還請求が10年6月以降も高水準で推移した場合、さらなる引当金の
積み増しが必要となる恐れもある。
◎ソース URLリンク(www.zakzak.co.jp)
※続きます。