09/06/03 21:24:39
(続き)
─3代目プリウスのチーフエンジニアには立候補した?
以前から「プリウスをやりたい」とは言い続けていました。
そして、すでにもう愛着があるので、「4代目もやりたい」と宣言しています(笑)。
2世代は担当しないと。ハイブリッドの開発はおもしろい。今まで考えなくてもいいことを考えるので、開発の幅が広がる。
つまり開発の自由度が広がるのです。
最近はすべての開発が「まずはプリウスから」という流れになってきています。でも「3代目」は難しく、たいてい失敗しがち。
だからあまり成功するかどうかという結果は気にせず、プリウスのコンセプトはしっかり維持しました。
工場から最初の1台が出てきた時は、ほろっと来て。「大切にされてね」と思いましたよ。
娘とか恋人といった感覚? いや、車に対しては女性とか男性とか分けず、中性的なイメージですね。
(次期社長の)豊田章男さんに誘われて、ドライバー3人の平均燃費などを競う、プリウスカップにも出ました。
参加する前は「地味でつまらないんじゃないか」といった先入観がありましたが、実際にやってみると、
タイムとコースを気にしながら、どこでエンジンとモーターを使うか考えるなど、とても知的でした。
エコをテーマにしたモータースポーツも楽しめますね。
4代目の開発もやらせてもらえるのなら、家庭用電源から充電できる「プラグイン・ハイブリッド」をメインの一つにしたいです。
─ライバルのホンダは、2月にHVの新型「インサイト」を発表しました。プリウスと良く比較されるインサイトをどう見ていますか。
最初は200万円を切ると聞いて、正直びっくりしました。
ただ単に「シビック」をダイエットさせただけでなく、内装などは割り切りつつ、性能は維持していますね。
でもインサイトのハイブリッドシステムはエンジンが主役。モーターだけでも走れる「プリウス」と完全に重複することはないな、
と思いました。
─3代目プリウスへの反響、評価に対しては。
5月18日の販売開始前に8万台の予約だなんて、信じられませんでした。
「これまでの最高だった初代『イスト』の予約4万7000台を超えたらいいなあ」くらいに考えていたので、
全社的に想像外だったと言えます。
でも、本当の評価はまだわかりません。今はエコカー減税や補助金なども後押ししているかもしれないので、
1年後はどうなっているか・・・。
街中、プリウスだらけになったら、逃げていってしまう方もいるでしょう。
今後は何か外部デザイナーとの特別コラボといった可能性も探る必要性があるかもしれませんね。
(記事終)