09/05/31 15:39:37
「偽装ラブホテル」が全国で増殖中だ。
「ビジネスホテル」や「旅館」として届けられながら実態はラブホテルとして営業されているホテルをいい、
兵庫県では経営者の元議員秘書が逮捕、起訴された。
「連れ込み宿」など日陰のイメージがつきまとったラブホテルは、いまや「4兆7000億円産業」との試算もある巨大市場。
「偽装増加」を重く見た警察庁は規制強化に向けた検討作業に着手した。
元議員秘書もどっぷり漬かったラブホテル経営のうまみとは-。
室内に「SM道具」…でも届け出は「旅館」
5月11日の神戸地裁。端正な顔立ちのスーツ姿の男が被告人席に座った。
偽装ラブホテルを経営していたとして風営法違反(禁止地域営業)罪で起訴された矢部嘉宏被告(42)だ。
裁判官からの問いに、「間違いありません」とゆっくりと答え、起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、矢部被告は平成11年5月に、神戸市北区のホテル「スノーマンズ」の所有権を取得。
同年6月末に改装して30部屋中11部屋にSMプレー用の「手かせ」「足かせ」を設置し、ラブホテルとして営業を開始した。
しかし、自治体への同ホテルの登録はあくまで「旅館」。
検察側は、市役所や警察の調査に際して、SM器具のある部屋は見せないよう従業員らに指示していたと指摘。
20年2月には兵庫県警から風営法に抵触するとの指摘を受けたが、目に見えた改善はなされなかったという。
結局、矢部被告は昨年11~11月、神戸市垂水区の住宅地域で、
ラブホテル「レッドスノーマンズ」を運営したとして逮捕、起訴された。
「集客力が大きく、もうかった」
兵庫県警の調べに対し、矢部被告は偽装ラブホテル経営の“うまみ”を口にした。
摘発までのホテルの売り上げは月に約1200万円で、純利益は約330万円に達したという。
気鋭の若手経営者…議員秘書から「華麗なる転身」
矢部被告は同志社大学を卒業、知人の会社を手伝うなどした後、衆院議員(当時)の議員秘書として勤務した。
「若手の地元秘書として働いていたようだが、その後、ラブホテル経営に転じたようだ」(捜査関係者)
転身を果たした後、経営の世界で頭角を現し、いくつもの「ラブホテル」を運営する若手経営者として名をはせた。
業界誌「季刊レジャーホテル」(19年2月号)には、矢部被告のインタビューが写真付きで掲載されている。
法廷同様にすました面持ちの矢部被告は、ラブホテル業界について「社会的認知度がまだ低い」としたうえで、
「違法行為があるのではないかと疑いの目で見られる。
金融機関からの差別やマスコミの偏見もあり、不当と思える行政の指導も散見できる」と、取り巻く環境を鋭く批判。
さらには、「規制がさらに強化されたり、経営者が逮捕されたりするような事件もまた起きてくる」とも危惧(きぐ)していた。
その“予見”は皮肉にも、自らが逮捕される形で現実となった。
県警は、矢部被告がホテル経営者らでつくる業界団体の代表を務めていたことを重視、
偽装ラブホテル経営を悪質と判断して逮捕に踏み切ったという。
「1日3~4回転」のおいしいビジネス
ラブホテルは風営法上、「店舗型性風俗特殊営業」とみなされ、都道府県の公安委員会への届け出が必要になる。
風営法の政令によると、ラブホテルの“構成要件”は以下3点のいずれかが室内にあることだ。
>>2に続く
ソース:MSN産経ニュース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)