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国家基幹技術の一つに据えられている次世代スーパーコンピューターの開発計画にかげりが生じた。
開発を担当してきたNECなどが自社の業績悪化を理由に撤退を表明したためだ。
このスパコンは、平成22年度の稼働、24年の完成を目指しており、神戸市中央区で施設の建設も
始まっている。
毎秒1京(けい)(1兆の1万倍)回という驚異的な計算速度を誇る世界最高のスパコンだ。生命科学や
ナノテクノロジーの研究に活用され、画期的な成果をもたらすと期待されている。
文部科学省の主導の下、政府系研究機関の理化学研究所が中心となり、3年前からNECなど3社が
共同開発に参加してきた。
スパコンの性能には、開発国の総合的な科学技術力が反映される。7年前に日本のスパコン「地球
シミュレータ」が世界1位になったとき、抜き去られた米国は、ニューヨーク・タイムズ紙の1面で、衝撃を
大々的に報じた。
最先端のスパコンはそれほど重要なものである。再び世界をリードしようという夢は、世界不況の波に
直撃されてしまった。
日本の生命線は、科学技術力とそれに支えられた高度なものづくり力に存在する。スパコンはその基盤に
かかわるものである。
文部科学省や理化学研究所は、NECが外れても、次世代スパコンを世界最高速にすることは、可能だと
説明している。だが、残る富士通だけでは、本来目指していた、特色ある複合演算システムの実現は難しい。
NECを何らかの形で経済的に支え、当初計画通り開発を続行させることはできないか。国費を特定の
企業に投入することに、批判的な声があるとしても。
これは単なる企業救済とは異なる。日本が国際社会で生きていく国家基幹技術の完遂のためである。
政府による戦略的投資が検討されてよいはずだ。NECには先端技術の継承という本来の技術者魂を奮い
起こしてほしい。
スパコンによるシミュレーションは、理論や実験と並ぶ科学技術研究の手法としての価値が急速に増している。
現代の研究開発のインフラだ。もたらされる成果は世界への貢献にもつながる。
今回は大型プロジェクトが思いがけない形で揺らいだ。原子力や宇宙分野など他の国家基幹技術は
大丈夫か。総点検が必要だ。
▽ソース:MSN産経ニュース (2009/05/24 03:15)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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