09/05/23 21:24:34
“財界総理”と呼ばれる日本経団連会長の後任選びがいよいよ本格化する。28日に
開かれる定時総会で、任期が残り1年となる御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)
としては、秋ごろには内定させたい考えだ。「日本を代表するメーカー出身の経団連
副会長」というのが従来の選考基準。だが、有力候補の出身企業は未曾有の経済危機の
直撃を受け、軒並み巨額の赤字を計上し壊滅状態だ。本命が「そして誰もいなくなった」
と揶揄(やゆ)される中、おきて破りの選出もささやかれている。
■赤字総額1・9兆円
総額1兆8736億円。28日に発足する新体制に名を連ねる副会長15人の出身
会社が、平成21年3月期で計上した連結最終損益を差し引きした赤字額だ。
22年3月期も780億円の赤字だ。後任を指名する御手洗会長の悩みは深い。
従来基準で候補となるのが、パナソニックの中村邦夫会長、トヨタ自動車の渡辺捷昭
(かつあき)社長、東芝の西田厚聡(あつとし)社長の3人。さらにおきて破り候補
として、副会長を退任する新日本製鉄の三村明夫会長、トヨタの張富士夫会長とメー
カーではない三菱商事の佐々木幹夫会長の3人の名が挙がっている。
後任レースは、この6人によって繰り広げられるというのが、衆目の一致した見方だ。
これまで有力視されてきたのが、中村氏。ITバブル崩壊で業績不振に陥ったパナソ
ニックを「破壊と創造」によってV字回復に導いた手腕に加え、「御手洗氏を師と仰ぐ」
(関係者)など親密な関係にある。
経団連内で根強いのが、日経連との合併後の初代会長、奥田碩(ひろし)氏を出した
トヨタへの“待望論”。新副会長の渡辺氏に加え、奥田氏の後任レースで御手洗氏と
争った張氏を推す声は多い。
■社内の根回し着々
ただ、パナソニック、トヨタともに22年3月期も、それぞれ1950億円と5500
億円の多額の最終赤字となる見込み。奥田氏が選考基準に加えた「収益企業」の条件に
は合致しない。出身企業が大赤字では、求心力など望めないうえ、カネもヒトもかかる
財界活動どころではない。
特に、渡辺、張の両氏については、御手洗氏が相談して後任を決めるという奥田氏が、
首を縦に振る可能性は低そうだ。
従来基準で有力候補に浮上しているのが、西田氏。東芝も今期は500億円の最終赤字
予想だが、パナソニック、トヨタに比べると傷は浅い。
財界では、東芝のトップ交代人事を「西田氏が会長を狙っている証拠」(日本商工
会議所関係者)に挙げる向きが多い。
西田氏は6月に佐々木則夫副社長に社長を譲り、会長に就任し岡村正会長は相談役に
退く。岡村氏は日商会頭を務めており、西田氏が経団連会長になると、東芝が財界の
ツートップを独占してしまうため、「相談役就任は会頭から身を引いてもらうための
準備」(同)という見立てだ。
ただ、会頭の任期は通常、2期6年。岡村氏は1年半しか立っておらず、会頭交代は
「非現実的」との声も多い。
●御手洗氏(中央)の後任を争う右上から時計回りで、三村、西田、渡辺、
佐々木、張、中村の6氏
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
◎ソース URLリンク(sankei.jp.msn.com)
※まだ続きます。