09/05/18 07:56:41
ビジネスの第一線で活躍することを夢見た中国の優秀な新卒者らは今年、失意に満ちた
就職活動を余儀なくされた。世界的なリセッション(景気後退)のあおりを受け、
税務署など行政サービス部門しか受け入れ先がなかったからだ。中国共産党も「優秀な人材の
就職難は経済面で取り返しのつかない損失になる」と頭を抱えている。
≪倍率56倍、狭き門≫
2月15日、江蘇省連雲港市の税務署。凍り付くような寒さの中、4年制大学に通う女子学生
ソン・イーチェンさん(21)は、200人の応募者とともに、凍えながら採用面接の順番を
待っていた。貿易学で学位を取り、中国銀行のような一流国営企業に就職してキャリアを
磨くのが夢だったソンさんは「公務員を目指すなんて、思ってもみなかった」と話す。
ソンさんだけではない。世界的な金融危機は中国の輸出に大打撃を与え、GDP(国内総生産)
成長率は過去9年で最低の水準に減少。多くの新卒者が就職活動で苦戦を強いられた。
経済分析を行うムーディーズ・エコノミー・コムのアナリスト、シャーマン・チャン氏に
よると、4年制大学卒業見込みの農地、1~3月期に就職を決めた学生はわずか20%と従来の
平均70%から激減した。
就職先が決まらない学生の多くは、当初は見向きもしなかった行政サービス部門の公務員を
目指すようになった。今年の公務員試験には77万5000人の応募が殺到。倍率は56倍で、
1年前に比べ20%も上昇した。
中国の最も優秀な人材が就職の機会を奪われている現状は共産党指導部にとっても
頭痛の種だ。人力資源社会保障部のリー・シャンウェイ氏は「有能な学生が相応の職を
見つけられないのは、人材面で多大な損失。長期的に見れば、経済面でも取り返しがつかない」
と指摘した。
一人っ子政策をとる中国では、どの学生も家族の期待を一身に集めている。
ホライズン・リサーチ・コンサルタンシー・グループによると、北京、上海、広州など
主要8都市の親たちは収入の3分の1を教育費につぎ込んでいるという。
>>2に続く
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2009年05月18日
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