09/05/15 12:40:21
※このスレのソースは前・後編に分かれて掲載された記事の「後編」です。
◎ソース URLリンク(www.toyokeizai.net)
■管理難しい業務請負 現場トラブルの温床に
大分キヤノン関係者であれば誰でも知っている07年10月のある“事件”は、製造
現場の荒れ具合を示す象徴的なものと言えるだろう。
「なんしよん! はよ消さんかい!」
突如として作業場に響いたリーダーの怒号にSさん(09年1月まで勤務していた
請負会社社員)が振り向くと、呆然と立ち尽くす作業者たちの群れの中心に、燃え
広がる火の海があった。リーダーの声に作業者たちは我に返り、何人かが消火器を
用いて消化剤を噴霧。鎮火したときには、作業台の上は5メートルほどにわたり、
消火剤で真っ白になっていたという。消火剤は隣の請負会社のラインの内部にまで
及んだ。
「これ、どういうことや」「ちょっと離れて!」。遅れて駆けつけた大分キヤノンの
社員がテープを張り、現場を隔離し始める。ほかの請負会社の人間も持ち場を離れて
集まり、周囲は騒然となった。製造は一時、完全にストップしたという。
事件は安岐事業所のカメラ組み立て工程で発生した。請負会社の作業者が火気厳禁の
作業場でライターを使用したところ、揮発性の溶剤に引火。火は一気に燃え広がった。
現場で働いていた請負会社社員は「カメラ外装のプラスチックのキズを隠すために、
ライターであぶる方法が非公式に共有されていた」と語る。
この事件に関しキヤノンは「ボヤがあったことは認識している。請負会社の管理、
指導が甘かったために起きた事件だ。ただ、こうしたことが起こったからといって、
契約上キヤノン側がボディチェックを行ったり、持ち物検査をすることはできない。
請負会社の自主的な管理に任せるほかはない」(広報部)と、業務請負契約に構造的
に生じる管理の限界を認めている。
■業務マニュアルもなし 現場では不良が多発
とはいえ、請負会社の側に、製品の品質を維持し高めていくような姿勢があれば、
このような問題は起きないはずだ。なぜ、請負会社は、クリーンルームを汚れたまま
で放置し、火気厳禁の現場でライターを用いているのか。
昨年末まで大分事業所で働いていた20代の女性は、ある日、画像センサーに圧着する
クリスタルプレートを表・裏逆に付けてしまった。どうすればいいか、請負会社の
リーダーに相談したところ、「これは古い機種だから検査はゆるい。そのまま流しても
大丈夫」とアドバイスされた。「その代わり、オレに相談したって言わないでね」。
そう冗談交じりに念を押されたという。
そこには最終製品の品質を気にする姿勢は見られない。現在、大分キヤノンと契約を
結ぶ請負会社「日研総業」には、20種類の業務マニュアルがある。「製品品質異常
対策ルール」「誤梱包発生時の対応」などと題された各種のルールには、最終項に
共通して同じ文言が並んでいる。「付則 この要領は2008年12月1日より施行
する」というものだ。
※まだ続きます。