09/05/03 07:41:40
自動車メーカー「マツダ」(広島県府中町)の元派遣労働者が、今年1月まで5年2カ月にわたって
本社工場で働いてきたのに、雇用形態を派遣と直接雇用の間で次々と変えられたため、
同一雇用主の下で3年以上働いた場合の半分しか失業手当を受給できないでいる。
今年3月31日の改正雇用保険法の施行前に雇い止めとなった派遣労働者には、同様の問題を
抱える人が多数あるとみられ、弁護士らが加わる地元の市民団体は、「失業者がさらに
追いつめられている」と支援を始めた。
同県廿日市市在住のこの男性(44)は、03年11月に同工場で請負労働者としてエンジン部品の
製造などに従事し始め、04年5月に派遣になった。同年10月に派遣会社から「3カ月だけマツダの
期間工になり、その後また派遣に戻ってほしい」と迫られ、「3カ月と1日」だけ「生産サポート社員」
(期間工)になった。その後も会社側の都合で、派遣(1年)▽期間工(6カ月)▽派遣(3カ月)
▽期間工(3カ月と1日)▽派遣(2年)と雇用形態を変えられ、今年1月に「期間満了」で雇い止めに
された。
市民団体「反貧困ネットワーク広島」(広島市中区)によると、企業側が複雑な雇用形態を
とるのは労働者派遣法対策とみられる。同法は、企業側の派遣労働者の受け入れ期間を
3年に制限。一方、「派遣期間終了後、再び受け入れるまでに3カ月経過していない場合は
継続派遣とみなす」という厚生労働省指針があり、これを逆手にとる企業があった。
いったん3カ月を超える期間を直接雇用し、その後派遣に戻した。厚労省は昨年9月、
この手法の違法性を指摘した。
同ネットは、男性の働いた期間や年齢などから、同一雇用主の下で3年以上働いていれば、
180日分の失業手当が受けられるはずとする。しかし、同一雇用主の条件を満たせないため、
90日分しか受給できなかった。改正法では、この条件を満たさなくても、本人が契約更新を
希望していた場合などは失業手当を有利に支給する。
男性は現在、仕事を探しているが見つけられずにいる。「失業手当が終わった後は生活保護に
頼るしかない」と思いつめている。
同ネットには、同様の相談が他にも5件程度寄せられている。同ネットの平田かおり弁護士は
「派遣労働者を使い続けるための脱法行為の結果、元派遣社員の多くが同じ状況に放置
されている」と指摘。同ネットはまず事例を収集し、対策を検討していく。
マツダは「すべての生産サポート社員に雇用保険をはじめとした各種社会保険を適正に
付保してきた。個別の給付内容についてはコメントする立場にない」としている。【樋口岳大】
▽News Source 毎日jp 毎日新聞 2009年5月3日 2時30分
URLリンク(mainichi.jp)
▽マツダ 株価 [適時開示速報]
URLリンク(www.mazda.co.jp)
URLリンク(company.nikkei.co.jp)
URLリンク(smartchart.nikkei.co.jp)
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