09/04/20 02:10:28
◎ソース URLリンク(sankei.jp.msn.com)
「最高学府」であるべき大学が危機に直面している。現在、国公私立の4年制大学は
全国で約760校。希望すれば誰でも大学に入学できるという「大学全入時代」にも
かかわらず、約半分の私立大が定員割れを起こしており、飽和状態に陥っている。
学生数を確保しようと焦るあまり、各大学が“一芸入試” レベルのAO入試を導入
したり、ユニーク学部を相継いで新設したりした結果、一定の学力レベルさえない
学生も「大学生」になってしまった。「算数レベルの学力さえない…」「まともな
日本語すら書けない…」。そんな大学の叫びが聞こえてくる一方、ずさんな学部
・学科を増やし続けた揚げ句、大学自体の質さえ保てない状況だ。一体、大学は
どうなってしまうのか。
■グローバル、デジタル…増えすぎた大学
「健康プロデュース」「グローバルスタディーズ」「デジタルコミュニケーション」
「社会イノベーション」「未来創造」「ライフデザイン」「シティライフ」…。
これらは、ここ数年間に新設された学部名だ。聞いただけでは、一体何を学ぶのか、
分かるようで分からないものが多い。
国公私立の4年制大学は平成20年度で765校(国立86校、公立90校、私立
589校)。平成2年度が507校(国立96校、公立39校、私立372校)だった
ことを考えると、この約20年間で約1・5倍になったことになる。特に増加が
著しいのは私立大学だ。学部数でみると、平成2年度は1310学部だったが、平成
20年度には2374学部と1000学部近くも増加している。学部名だけをみても、
平成20年度には445もの学部名がひしめいている。
子供の数は減り続けているにもかかわらず、なぜ、これほどまでに大学、そして学部
が増えたのか。最大の原因は「大学の多様化」との理由で、平成15年度から設置
基準が緩和されたことがある。これまでのように「大学設置・学校法人審議会」の
認可を受けずとも、届けを提出するだけで新しい学部を設置できるようになった。
毎年、新設される学部・学科は300前後にのぼるという。
背景にあるのは、「大学全入時代」だ。平成19年度の大学・短大の入学者数は
計約70万人。一方、総定員数は約66万人。単純にみても、大学・短大への進学を
希望すれば、ほとんどの学生が大学に入れる計算になる。しかし、その実態は、平成
20年春には、4年制の私立大学の47・1%が定員割れし、過去最悪を更新する
など厳しい状況となっている。
ある大学関係者は「人気のある大学では定員数よりも多く入学させているケースが
ある。一方で人気のない大学や地方の大学には学生が集まらず、学校の運営さえ
危ぶまれている」。
人気大学に多くの学生が集まると、人気の低い大学は残った学生を奪い合うことに
なる。このため、各大学とも、ユニークなネーミングの学部を新たに設置しては、
学生の確保に力を注ぐことになる。別の大学関係者は「学生の興味を引きそうな学部
を作ることで、他の大学との違いをアピールしなくては生き残れない」と話す。
※まだ続きます。