09/04/15 11:52:03
接骨院や整骨院で働く「柔道整復師」を養成する名古屋福祉保育柔整専門学校
(名古屋市)が、必修の臨床実習を終えないまま学生146人を卒業させていた
ことが14日、わかった。本来は受験できないはずの国家試験を受験・合格した
卒業生はすでに、現場で働いている。厚生労働省は同校に対し、該当者を対象に
補講をするよう求めている。
柔道整復師養成をめぐって、授業の「未実施」が明らかになったのは全国で初めて。
08年に少なくとも全国7校で問題となった無資格教員による指導も発覚した。
名古屋福祉保育柔整専門学校は4年制で、03年に開校した。臨床実習については、
併設の治療院で、計45時間にわたって治療を見学することが省令で求められている。
厚労省東海北陸厚生局指導養成課によると、08年の立ち入り調査の結果、
06~07年度の卒業生146人が、所定の実習を受けていないと判断された。
08年度の卒業生は、指導後に補講が行われた。
また、年間30時間求められている柔道の授業で、「教員養成講習を終えた実務経験
3年以上の柔道整復師」が指導しなければならないのに、資格を持たない一般の柔道
有段者が教えていた。
同校の担当者は「併設の治療院の患者数が少なく、十分に実習ができなかった。
少しはやったのに、リポートなどが残っておらず、未実施と判断された。柔道の
教員については、法律の理解を誤っていた」と説明する。ただ、同校は授業料
85万円とは別に、年間30万円を「実習費用」として徴収していた。
国家試験の受験には、養成学校の卒業証明書の添付が必要。臨床実習を受けていない
学生は本来、単位不足で卒業は認められず、受験資格はない。ただ、東海北陸厚生局
は今回の事態について、「学生に罪はないので資格を奪うまでは求めなかった」と話す。
同校は、臨床実習の補講を5月以降に設けるが、応じるのは10人程度という。
柔道の補講は08年度中に終えたという。09年度入学の学生は、募集していない。
柔道整復師は全国に5万~6万人おり、今年3月の国家試験合格者は約4800人。
合格率は70%台で、10年前に比べて10ポイント以上落ちており、業界内で
質の低下を懸念する声も上がっている。
愛知県内の養成学校は同校を含めて6校。この10年で全国では14校から97校に
急増しており、一部で教員を確保できない状況に陥っている。
●臨床実習を終えないまま学生を卒業させていた名古屋福祉保育柔整専門学校
URLリンク(www.asahi.com)
●柔道整復師試験の合格者数と合格率
URLリンク(www.asahi.com)
◎学校法人たちばな学園/名古屋福祉保育柔整専門学校
URLリンク(www.nagoya-college.ac.jp)
◎ソース
URLリンク(www.asahi.com)