09/04/14 12:06:27
◎ソース
URLリンク(mytown.asahi.com)
低料金を売りに全国で事業を拡大しているタクシー会社のエムケイグループ(本社
・京都市)が今月22日に進出する。札幌のタクシー業界では、規制緩和でタクシー
の台数は増える一方だが、過当競争と景気低迷で売り上げは激減している。地元業者
は自主的な減車やサービス向上などの取り組みを図るが、エムケイの参入に「この
状況で価格競争になれば運転手の生活は成り立たない」との声も上がる。
業務を開始するのは、エムケイグループの札幌エムケイ(本社・札幌市白石区)。
初乗り料金は550円。市内の多くの会社より100円安く、長距離だとさらに3割
以上も安くなる設定だ。札幌進出は全国8カ所目で、乗降時に運転手が手動でドアを
開閉する同社特有のサービスも実施。すすきの地区には専用乗り場も設ける。
当初は40台、運転手約70人の態勢だが、1年間で450台、約千人に拡大する
予定という。同社は「安くて良いサービスを提供し期待に応えたい」と自信を見せる。
■自主減車の矢先
エムケイ進出に対し、危機感を募らせる地元業者も多い。というのも、タクシー業界
では02年にタクシー事業への参入要件が緩和され、周辺市を含む札幌交通圏の台数
は25%も増加したが、景気低迷で利用者は減り続けている。少ない客を多くの車で
奪い合う格好だ。このため札幌圏では07年に料金を50円上げる改定を実施。昨年
からは各社が自主的な減車を行って約150台を減らした。札幌ハイヤー協会による
と、約1万2千人の運転手の平均年収は270万円で、「これ以上落ちれば生活が
できない」と訴える。
エムケイが数百台規模での参入を表明したのは、そんな矢先のこと。同協会は「運転
手の生活を守ろうと必死に取り組んでいる時に、なぜ市場を壊すようなことをする
のか」と不快感を隠さない。
国土交通省は昨年から札幌圏など道内8地域を、台数過多で運転手の待遇が悪化した
「監視地域」に指定。新規参入や増車の条件を厳しくした。これに対し、エムケイは
「従業員の待遇に問題は生じない」とする事業計画をまとめ、北海道運輸局も許可した。
ハイヤー協会側は許可の取り消しを求めて提訴しているが、運輸局は「要件を満たし
ており、取り消しはできない」と話す。政府は減車を進めるための新法案を国会に
提出し、台数の適正化に取り組む考えだが、実現するのはまだ先だ。
※まだ続きます。