【コラム】「かんぽの宿」勝負は西川社長の負け。但し、勝者は“総務省”-山崎元 [4/8]at BIZPLUS
【コラム】「かんぽの宿」勝負は西川社長の負け。但し、勝者は“総務省”-山崎元 [4/8] - 暇つぶし2ch1:依頼408@ロボ-7c7c(初代biz+ 支局長)φφφφ ★
09/04/09 09:09:20
(略)
あくまでも筆者の「予想」や「推測」であるが、西川氏は解任や明確な引責辞任ではない形で
自発的に辞めるのではないか。これが、人事の落とし所の予想だ。

また、鳩山氏の一連の動きには何らかの情報源があるはずで、それは総務省ではないか。
彼らは、日本郵政に指摘できる事項があることを事前に知っていてこうした展開に誘導し、
西川氏を追い落とすことが目的だったのではないか、というのが一つの推測だ。だとすれば、
鳩山大臣の行為自体は大臣としても株主代表としても正当なものだが、彼は、獅子舞の
獅子の面のような役割を果たしたに過ぎない。

それにしても、今回の問題の大元は何だったのか。ここから先は少し推測が混ざるが、
恐らく「かんぽの宿」は、従業員の雇用を重視したことで、売却条件が悪くなったのでは
ないだろうか。

個別に売った方が高く売れたが、従業員の雇用をより広く、より長く保ちたかったということが
優先したのではないか。メルパルクの事業譲渡の問題にも同様の傾向が見てとれるが、
これが「日本郵政側の本音」だったようだ。そしてオリックスがこの本音を(新組織のポストも
含めて)一番よく満たす相手だったというのが現実的なところではないのか。

雇用へのこだわりは、総務省側にもある。日本郵政は従業員の雇用を重視してオリックスを
選んだと言っているが、一方の総務省もオリックスへの売却について十分な雇用確保が
達成されているとはいえないとし、競合相手の条件のほうがいいように見えると指摘している
(読売新聞の記事による)。つまり、両者とも雇用維持に高い優先順位を付けている。

率直に言って、筆者は、この雇用維持への過剰なこだわりが、今回の問題の大元に
あると思う。むろん、通った法律には、雇用に留意するという付帯条件が付いているし
(雇用を未来永劫守れとは書かれていないが)、雇用に手を付けると事前に宣言していたら、
現場の抵抗で、郵政民営化自体がうまくいかなったのかもしれない。当時者として民営化に
苦労した人なら、そう言うのかもしれない。

ただ、雇用の現状維持が一つの保証条件のような形になっていることが、民営化の不徹底を
招いているのではないか。業績次第でリストラも減給もある民間企業のスタンダードとは
あまりにもかけ離れている。これでは、郵政民営化は形だけの民営化で、実質的には
「親方日の丸」の無駄を、そのまま国民に転嫁しているのではないか。「雇用を重視したから、
売却条件が悪くなった」という言い分の意味はそういうことだ。

付け加えると、ゆうちょ銀行という図体に能力が伴わない新たな金融機関をただでさえ
オーバーバンキングの銀行業界に投入する必要は本来なかった。かんぽ生命もしかり。
共に適当に分割して事業を民間に売却し、基本的に廃止・撤退してしまうことが、
望ましかった。長年郵政民営化に取り組んできた小泉元首相がリーダーシップを取って
実現すべき郵政民営化は、かつての「西川善文全国銀行協会会長」の意見だったのでは
ないか。

小泉内閣の郵政民営化は中途半端で不十分だった。かんぽの宿問題はその弊害が
表れた一例に過ぎない。

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