09/04/08 10:44:30
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景況感の悪化が続く中で消費者が外出を控える“巣ごもり”現象の広がりや、食の不安の高まりを背景に
過去最高益につなげた企業がある。キノコ栽培大手のホクトだ。
2009年3月期の連結経常利益は前期比2.5%増の74億円と過去最高益を更新する見通し。
内食志向が強まったのに加え、昨年の中国製冷凍ギョーザ事件で消費者の国産野菜志向が強まり
キノコの販売単価が上昇したことが寄与した。期末配当も前期より2円増配し52円にするなど、
同社の躍進が続いている。
■輸入野菜離れ余波
同社の09年3月期のシメジやエリンギなどキノコ類の販売数量は前期比1200トン増の6万トンに
拡大したもよう。消費者の輸入野菜離れが広がり、冬場の週末に寒い日が多く鍋向けの需要が広がった
ためだ。
さらに、急速な需要拡大に伴い、国産キノコの品薄感が強まったことで、販売単価も上昇。
実際、昨年4~12月までのキノコ類の平均販売単価は前年同期比で約5円も上昇したという。
同社の場合、キノコ価格が年間平均1円上昇すれば、年間6億円の増収効果となる。単価上昇の影響で、
09年3月期の連結売上高は4.1%増の440億円となる見込みとしている。
今でこそスーパーなどでキノコ会社としての知名度が高まったホクトだが、意外にもキノコの事業展開の
歴史は浅い。もともとは、キノコ栽培用のプラスチック容器の製造だったホクトは、創業当初は容器を
農家向けに販売していた。ただ、収益の拡大には容器の販売から、キノコの生産販売につなげることが
欠かせないと判断。83年に長野市にきのこ総合研究所を設立しキノコの研究を始めた。86年には
エノキタケ、ヒラタケなどを矢継ぎ早に品種改良。ついに89年にキノコの販売にこぎつけた。
そしてキノコ事業の展開から数えること20年。エノキからは特許問題などの影響から手を引いたが、
シメジ、エリンギ、マイタケの“キノコ3兄弟”を品ぞろえ。さらに、製造時の品質にも徹底的に
こだわった生産を創業以来続けたことで、“安全”にこだわる消費者の需要取り込みにつなげた。
食の不安の高まりなどで最高益更新につなげた同社だが「10年3月期以降は、簡単には最高益更新
とはいかない」と水野雅義社長はいう。ただ、その慎重な言い回しとは裏腹に、中長期をにらんだ
成長戦略を着々と固めつつある。
-続きます-