09/03/31 23:34:05
米政府や米連邦準備制度理事会(FRB)が1930年代以降で最長のリセッション(景気後退)に歯止めを
かけるために行った歳出と融資、保証の総額は12兆8000億ドル(約1256 兆円)と、2008年の米国内総生産
(GDP)に迫っている。
FRBや財務省、連邦預金保険公社(FDIC)が新たに約束した支援には、官民共同の不良資産買い取り
計画1兆ドルが含まれている。支援総額は米国民1人当たりでみると4万2105ドルとなり、流通貨幣 8998億ドル
の14倍に相当する。08年の米GDPは14兆2000億ドルだった。
オバマ大統領とガイトナー財務長官は今月27日、米銀大手12行の最高経営責任者(CEO)とホワイトハウス
で会談し、1年8カ月にわたる銀行の貸し渋り問題の解消に向けて協力を求めた。
ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクフェインCEOは会談後、「大統領と財務長官は必要な
措置を講じると言明した」と述べ、「それで十分なら素晴らしいことだ。不十分なら政府はさらなる行動が必要に
なる」と語った。
政府財源からFDICに5000億ドルの融資枠などを約束することで、FDICはターム物資産担保証券ローン制度
(TALF)と官民投資プログラム(PPIP)への参加者に対し最大2兆ドル相当の債権を保証できる。FDICの
ベアー総裁は、預金保険基金が相次ぐ銀行破たんの影響で枯渇する恐れがあると警告している。
米政府が約束した支援総額はブルームバーグが試算を開始した昨年 11月の7兆4000億ドルから、73%
増加している。コメリカ銀行のチーフエコノミスト、デーナ・ジョンソン氏は、「GDPとの比較は、信用市場の
安定化に向けた並外れた取り組みを浮き彫りにする上で有効だ」と述べ、「FRBやFDIC、財務省の行動は
必ずしも奏功しているわけではないが、米金融システムは昨年10月に恐ろしい崩壊の寸前に陥っていた」
だけに、「当局は最悪のシナリオに陥るのを阻止するために創造力を駆使してくれた。これには大いに感謝
している」と語った。
▽ソース:Bloomberg (2009/03/31 14:53)
URLリンク(www.bloomberg.co.jp)