09/03/28 17:57:21
日系ブラジル人の多い浜松市で、定住外国人に人材が不足する介護職への道を
開こうとする動きが広がり始めた。浜松国際交流協会(HICE)が失職者向けに
開講した「介護のための日本語教室」では、修了生30人のうちブラジル人7人の
採用が決定。HICEでは「必要とされている分野で、安定した雇用を」と受講生
のフォローアップに力を入れている。
2月中旬に始まった教室には、定員の約5倍の143人が応募。面接や筆記試験を
パスしたフィリピン人とブラジル人30人が、約1カ月かけて食事や入浴、排せつ
の介助、衣類の着脱などで使われる日本語会話を学習した。県が主催する介護の
現場体験にも申し込み、市内外の7施設でお年寄りと触れ合った。
掛川市の介護施設に就職が決まった袋井市の青木・アメリア・サユリさん(45)
をはじめ、受講生の多くが工場労働に従事。来日15年の青木さんは検査やはんだ
付けなどの仕事をしていたが、景気悪化の影響で昨年末で解雇され、家族5人の
暮らしを支えるために「なんとしても仕事を見つけないと」と講座に応募した。
介護職は未経験で特殊な用語を覚えるのに四苦八苦したが、「介護の心構えを
丁寧に教えてもらえた」と講師を務めた介護士らに感謝しきりだ。
浜松市中区和合の特別養護老人ホーム「愛光園」で現場体験に臨んだ受講生の
オザキ・カズミさん(41)=同市中区=も、市内の部品工場から休職を命じられ、
介護の世界に飛び込んだ。「すごく緊張する」と話しながらもお年寄りとの会話を
順調にこなし、施設スタッフも「コミュニケーションに問題ない」と評価。市内の
デイサービス事業所への就職が決まった。
日系ブラジル人の介護分野での就労に関しては例が少なく、受講生からは
「(介護に)興味があったが、挑戦するきっかけがなかった」「ヘルパー2級の
資格を取得したい」などさまざまな声が上がった。HICEの担当者は「定住外国
人も高齢化の時代を迎える中、2カ国語を話せる介護の担い手は今後ますます重要
になる」と、受け入れ体制の整備や学習支援の必要性を指摘している。
●現場体験でデイサービスを訪れ、お年寄りと会話するブラジル人受講生
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