09/03/16 15:21:01
●不況で企業は横並びへ
高度経済成長による首都圏の過密化が招いた「通勤地獄」。鉄道各社が列車本数を増やしたり、
企業と一緒に時差通勤を訴えることで、不快な思いをするサラリーマンは減ってきた。
そんな通勤風景が激変しそうだ。
NECがフレックスタイム制度の休止方針を固めた。4月から定時の8時半出社になる。
「目的は残業の削減です。それには仕事のスピードアップや効率化が必要。これを実現するには、
上司が部下とのコミュニケーションを密にして、しっかりマネジメントできる環境を整えなければ
ならない。そのための休止です」(NECコーポレート・コミュニケーション部)
NECの従業員は2万人を超える。本社だけでも数千人だ。彼らが同時に出社すれば、JR田町駅や
都営地下鉄の三田駅は大混雑。電車の乗車率も跳ね上がる。
前例がある。キヤノンは03年4月から「業務のスピードアップ」を目的に、フレックスタイムを
やめた。本社の最寄り駅は東急多摩川線の下丸子駅。都心から離れた小さな駅だ。
「分散していた部門を本社の近くに集めたこともあり、下丸子駅は毎朝、社員でごった返しています」
(同社中堅社員)
怖いのは、この風潮が、ほかの大手企業にも広がることだ。
フレックスタイム制度は、バブル期に盛んに導入された。実際、NECは89年、キヤノンは
88年から始めている。当時、企業は、社員の自由な働き方を認める余裕があったのだ。
今は、どこもアップアップである。NECも09年3月期は2900億円の連結赤字に転じる見通し。
ほかも右へ倣えになる公算は大きい。
「個人の効率よりも部門の効率を重視すれば、全員同時出社にならざるを得ない」
(東京女学館大教授・西山昭彦氏=経営学)
本当に不況は最悪だ。
(日刊ゲンダイ2009年3月13日掲載)
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