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加速器の陽子ビームで未臨界原子炉を運転 大阪・熊取の京大施設
URLリンク(www.kyoto-np.co.jp)
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高エネルギー陽子ビームをつくる加速器が置かれた実験棟(左)と
未臨界炉実験が行われる臨界集合体実験装置棟(右)
=大阪府熊取町・京都大原子炉実験所
京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)は4日、加速器で発生させた中性子を使って
未臨界状態の原子炉で核分裂を進める世界初の実験「加速器駆動未臨界炉実験」を始めた。
安全性が高く、医療や実験、使用済み核燃料の処理などにも有用な新型原子炉の
開発につなげたいとしている。
陽子ビームのエネルギーとビーム量を調節できる新型加速器(固定磁場強集束型加速器)を
開発。加速器でつくった高エネルギー陽子ビームを重金属(タングステン)に当て原子核を
破砕し、発生した中性子を実験用小型原子炉(臨界集合体実験装置)の中のウラン燃料に
打ち込み、核分裂反応を進める。
核分裂が連鎖する臨界に達しない未臨界状態で行うため、加速器を止めれば
炉を止めることができ、臨界状態での運転よりも安全という。核分裂反応を制御しやすく、
中性子や陽子線によるがん治療などの医療、物理などの実験への利用のほか、
使用済み核燃料など扱いが難しい核物質も燃やして処理することができるという。
文部科学省が先月、加速器などの使用前検査を行い、実験が認められた。実験所は、
出力1ワット以下で実験を行い、中性子の発生や核分裂の状態などの基礎データを集め、
専用炉の設計につなげたいとしている。