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【ワシントン=渡辺浩生】米金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)とシティグループを
米政府が国有化するという観測が急速に高まり、ニューヨーク株式市場の株価急落につながっている。
オバマ政権は打ち消しに躍起だが、両社の経営不安は金融市場全体の混乱を招いており、有識者の間でも
「国有化は不可避」という見方が日々強まっている。
20日のダウ工業株30種平均は、ドッド上院銀行委員長が「短期間の」銀行の国有化が必要という
見解を示したと報じられ、銀行株を中心に売りが加速。前日比100・28ドル安の7365・67ドルで
取引を終え、昨年9月の「リーマンショック」後の安値を超え、ITバブル崩壊直後の02年10月以来の
低水準に落ち込んだ。
その主因になっているのが両行の株価。シティの株価は1991年以来の低水準に下落。バンカメも
最安値を更新した。シティは金融危機の深刻化による損失拡大で5四半期連続の赤字。バンカメは、
証券大手メリルリンチの救済買収でメリルの損失まで抱え財務が悪化。
これまで両行はそれぞれ450億ドルの公的資本注入を受けている。しかし、金融危機に伴う
世界同時不況の影響で不良資産の膨張が止まらない。もしも両社が経営危機に陥れば世界的な
システミックリスク(連鎖破綻のリスク)を招く危険性があり、政府の大胆な介入による両行の
財務健全化が金融システム全体の課題とみられている。
グリーンスパン前連邦準備制度理事会(FRB)議長は最近、英紙フィナンシャル・タイムズでの
インタビューで、「幾つかの銀行の一時的な国有化は、迅速で秩序あるリストラを促すために
必要となる」と指摘した。これに対して、バンカメのルイス最高経営責任者(CEO)は20日の声明で
「資本や流動性が十分な企業が国有化される理由はない」と強調。オバマ政権も20日、
「民間の保有による銀行形態が正しい道だと確信している」(ギブズ大統領報道官)と、
銀行経営へ過度な介入を否定した。
しかし、財務省は、金融安定化策の一環で、大手25行の財務状況を厳密に検査する「負荷テスト」に
近く着手する。資本不足と判断されれば、議決権のある普通株投入による国有化も選択肢にあるとみられる。
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