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リストラの嵐で雇用が急激に悪化する中、企業の依頼により退職者を再就職させて報酬を得る再就職
支援会社に相談が殺到している。金融危機の直撃を受けた金融機関に続き、今後は希望退職の募集が
相次ぐ自動車や電機など製造業からの依頼も控える。しかし、前例のない景気の垂直落下で再就職先は
見当たらず、不況で稼ぐビジネスにも暗雲が立ちこめる。成功報酬目当てに支援会社が強引に再就職させ、
結局、転職先も辞めてしまうケースが続出する事態も懸念されている。
「『辞めろ』といえないのでまず『ボーナスを出せない』と伝えた。大抵の社員はそれで悟り退職願を出して
きた」。米国発の金融危機に襲われた昨秋、投資銀行部門を中心に大幅な人員削減に踏み切った大手
金融機関の首脳はこう明かす。
大手企業の多くは希望退職の募集などに合わせ再就職支援プログラムを用意し、支援会社と契約する。
退職者1人当たり数十万円程度の費用が企業から支払われ、支援会社は半年から1年の期限でカウンセリング
や求人情報の提供を行い、再就職先を探す契約が一般的だ。再就職が成立してから、成功報酬が支払われる
ケースも多い。
約2000社と契約している大手の日本ドレーク・ビーム・モリン(日本DBM、東京都品川区)では、昨年
7~12月の半年の相談件数が、前年同期比30%も増えた。特に金融危機でリストラを迫られた外資系
金融機関からの相談は倍増したという。
今年に入り、製造業から相談が増えつつあり、4月以降、本格化すると予想する。
米田洋社長は「以前は再就職までの期間が『無期限』という条件もあったが、『3カ月』の短期が増えている。
費用を引き下げたいという要望も増えた」と指摘する。
矢野経済研究所によると、再就職支援ビジネスの国内市場規模はITバブル崩壊直後の2002年度が
約350億円とピークで、景気回復に伴い縮小した。当時は急成長を続ける新興国向け関連や内需関連の
一部業種が好調で、再就職の受け皿もそれなりにあった。しかし、今回はあらゆる業種が総崩れで、大貫
留美子研究員は「再就職先が決まらないケースが増える」とみる。この結果、依頼殺到にもかかわらず成功
報酬が支払われないこともあり、08年度の市場規模は、前年度比19%増の190億円にとどまると予想する。
リストラを通告された場合、どうすればいいのか。日本DBMはカウンセリングで「まず自信を取り戻してほしい。
不況でも人を募集している企業はあり、今までのキャリアが、何らかの形で生かせるチャンスは必ずある」と
励ましている。
▽ソース:FujiSankei Business i (2009/02/13)
URLリンク(www.business-i.jp)