09/02/04 08:50:52
拡大を続けてきたゲームセンター市場が苦境に直面している。ヒット商品がなく、
家庭用ゲーム機に人気を奪われた上、景気悪化も直撃。ゲームセンターの運営や機器販売を
手掛ける業務用ゲーム各社は巻き返しに知恵を絞っている。
「いらっしゃいませ」。東京・渋谷のゲームセンター「タイトーステーション渋谷店」。
午前10時の開店とともに入ってくる顧客を従業員が深々と頭を下げて出迎えた。
業界最大手のタイトーは店舗の従業員教育に取り組む学校を設立。接客マナーを向上させ、
家族連れでも気軽に入れるような店づくりを強化している。
こうしたサービス拡充に取り組む背景には、市場環境が急激に厳しくなっていることがある。
日本アミューズメント産業協会によると、2007年度の業務用ゲーム市場は前年度比3%減の
8971億円と6年ぶりに減少に転じた。08年度も厳しい情勢が続いているという。任天堂のWii
など家庭用ゲーム市場が急伸したことと対照的だ。
バンダイナムコホールディングスやセガサミーホールディングスといったゲーム大手の
業績も振るわず、08年9月中間連結決算のゲームセンター関連の事業はいずれも前年同期比で
約1割減と苦戦。各社は店舗統廃合など収益構造の改善を余儀なくされている。
ヒット商品の不在も痛い。ゲーム業界はこれまで、1970年代の「スペースインベーダー」や
90年代の写真シール作成機「プリクラ」などが一大ブームを巻き起こし、市場を牽引(けんいん)
した。2000年代前半は子ども向けの「甲虫王者ムシキング」などのカードゲームが人気を
集めたが、その後はヒット商品に恵まれていない。
ゲーム各社は家族連れを呼び込もうと郊外のショッピングモールに次々出店。
しかしガソリン高が続いた時期もあり、自動車で買い物に来る客が減少したという。
ゲーム業界関係者は「子どもがゲームをもう1回やりたいと言っても親が我慢させている」と
ため息を漏らす。
バンダイナムコは子どもを呼び込もうと、ウルトラマンや怪獣の巨大な像が立ち並んで
壮観な室内を演出している「ナムコランド ヒーローズキャンプ名古屋店」を昨年10月に開業。
セガは幅広い年齢層に人気があるクイズゲームを導入。全国規模で他店舗の参加者と
通信で対戦できるようにした。
業務用ゲームメーカーなどで構成する日本アミューズメントマシン工業協会は
「店舗のインフラづくりが進み、過当競争が減れば、各社の収益は回復するのではないか」と
話している。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2009年02月04日
URLリンク(www.business-i.jp)
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従業員の接客マナー向上で集客力を高めようとするゲームセンター=東京都渋谷区