09/01/08 11:28:53
化粧品や医薬品などあらゆる化学製品の原料を合成する工程で欠かせない酸化反応に、
有毒な金属触媒を用いず、環境に優しい方法を名古屋大大学院工学研究科の石原一彰教授と
ムハメット・ウヤヌク助教が開発した。ヨウ素化合物を利用して実現した。
ヨウ素は医薬品などに使用され、日本は世界の生産量の40%を占める世界第2位の
ヨウ素輸出国で、主に千葉県で産出。金属資源の少ない日本にとって朗報といえそうだ。
化学製品の原料となるアルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルなどの物質はアルコールを
酸化することで生成する。酸化には、マンガンや鉛、クロムなどの金属の過酸化物を触媒として
使っているが、毒性が強く、少しでも残ると医薬品に使えないため精製にコストがかかった。
石原教授らは、ヨウ素が金属に似て複数の原子と結合しやすく、触媒に適した性質を持つことに
注目。ヨウ素原子を含む有機分子を開発し、酸化反応の触媒に使用したところ、ごく少量で
短時間のうちに酸化することが分かった。
一般に酸化は高いエネルギーを発するため、反応中に爆発や引火の危険性もあるが、酸素を
供給する粉末状の酸化剤オキソンを使うことで、安全に反応を起こさせると同時に、その量を
変えることで、アルデヒド、ケトン、カルボン酸などを選択して合成できることも分かった。
石原教授は「環境に優しく、安全かつ低コストで医薬品や有機材料の開発、製造が可能になる。
この触媒を使った酸化は化学反応の基本で、高校や大学の化学実験の教材にも最適」と
期待している。成果は米国化学会誌に発表した。
ソースは
URLリンク(www.chunichi.co.jp)
“ヨウ素化合物の触媒による原料合成”という図は
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