08/12/27 07:15:49
東芝の西田厚聡社長は26日、朝日新聞のインタビューに応じ、来春に予定していた二つの
半導体工場棟の着工を半年以上、延期することを明らかにした。予定地は三重県四日市市と
岩手県北上市で、10年以降としてきた稼働時期も遅れる見通し。
半導体の市況の回復は早くても09年後半として、派遣社員をさらに減らすなど追加の
経費削減も急ぐ。世界的な不況で産業の「コメ」と言われる半導体需要が激減、経営戦略の
見直しを強いられた。
当初計画では、携帯電話などに使われるNAND型フラッシュメモリーを増産するため、
約1兆7000億円超を投資して、半導体工場棟を両市に同時に着工する予定だった。
四日市は土地の取得の遅れもあって半年以上、着工を延期する。北上はさらに遅れる
可能性があるという。稼働も「半導体市況の様子を見てからだが、(遅れは)大いにあり得る」
としており、10年以降としてきた予定が遅れる可能性を示唆した。
また、2棟のうち1棟の生産設備は米メモリー大手のサンディスク社と折半購入する予定
だったが、「どうなるかわからない」と、関係見直しを示唆し、東芝単独の投資の可能性を示した。
携帯電話やデジカメなどの販売不振に伴って、NAND型も供給過剰。1年間で7割近くも
値下がりした。主力の四日市工場で来年1月から実施する3割の減産は「長くて6カ月」続ける
という。
08年9月中間決算では半導体事業だけで595億円の連結営業赤字を計上。西田社長は市況の
回復を「09年後半、悪くても10年には何とかなる」として、09年3月期通期ではさらに赤字幅が
拡大する見通しも示した。こうした事態を受け、全役員の報酬について「(減額を)実施している」
と述べた。減額幅や期間は明らかにしなかった。
西田社長は「赤字では派遣社員までは守れない」と話し、来春までに半導体事業で700人近く
減らす派遣社員を、さらに減らす意向を示した。同事業の収益改善のため、「後工程」と
いわれる組み立て工程を東南アジアなど海外拠点へ徐々に移す方針で、国内の生産拠点の
見直しに伴い、雇用の場が減るためだ。
一方、「下期でも黒字を狙う」と言うテレビ事業は、09年3月期通期で営業黒字を確保
できそうだ。薄型テレビ用の液晶パネル生産からは撤退したものの、2月から始めた
台湾メーカーへの生産委託など積極的な経費削減策が功を奏した。
ただ、世界で年1600万台の販売を目指したパソコン事業については、部品調達の不足
などから「200万~300万台の販売機会を逃した」として、実際の販売台数は約1300万台に
とどまりそうだ。(湯地正裕)
▽News Source asahi.com 2008年12月27日3時2分
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インタビューにこたえる東芝の西田厚聡社長
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