08/12/24 07:30:50
野菜などを人工的な光や温湿度管理で栽培し生産量を通常の10~20倍に増やすことができる
「植物工場」の導入を促進するため経済産業省と農水省は、農地法の改正などによる特例措置を
設ける方針を固めた。
来年1月に共同で検討チームを立ち上げて3月末をめどに報告書をまとめ可能な施策から
順次実施する。法改正のほか、植物工場設置を優遇する「構造改革特区」への指定や補助金の
創設を検討する。
民間企業の資本や技術力を活用し食料を増産できる植物工場は、約40%に低迷する
「食料自給率」の向上につながると期待されているが、多くの規制が普及の障害になっている。
特例措置で普及が進めば、食の安全・安心の確保や地域活性化にもつながりそうだ。
植物工場は、建物内で光や温湿度を成長に最適な条件に設定し、生産量を大幅に増やすことが
できる。成長スピードが通常の2~4倍になり、レタスの場合、年20回の収穫が可能。
土壌の代わりに容器に入れた養液を利用する水耕栽培が中心で、農薬も必要ない。
ただ農地法に基づく農地の賃借・取得にかかわる煩雑(はんざつ)な手続きに加え、
建設コストがビニールハウスの20倍、光熱費も50倍近くかかることなどが普及の障害に
なっている。
このため、両省がタッグを組み、植物工場に限定した特例措置を導入する。
政府は、農業生産法人以外の民間企業による農地の賃借を解禁するなどの農地法改正案を
来年の通常国会に提出する準備を進めているが、植物工場については、さらに踏み込んだ
優遇措置を設ける方向だ。
具体的には、農地の賃借・取得手続きの簡素化のほか、民間企業による農業生産法人への
出資が原則10%未満に制限されている規制の緩和などを検討。農地に工場を建設すると、
固定資産税などが宅地並みに課税される税制面での優遇も議論する。法改正の必要がない
「特区」に指定することも選択肢に入れている。
このほか、建設費や維持費を軽減するための補助金の支給のほか、品種や栽培技術の
開発援助なども導入したい考えだ。
植物工場は20年以上前からあるが、カゴメやキユーピーなどの大手企業が中心で、全国に
約30カ所程度にとどまっている。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2008年12月24日
URLリンク(www.business-i.jp)
▽経済産業省
URLリンク(www.meti.go.jp)
▽農林水産省
URLリンク(www.maff.go.jp)