08/12/11 23:05:33
エルピーダメモリ)は、今年11月に発行した500億円の転換価額修正条項付き転換社債(MSCB)を
全額繰り上げ償還する見通しとなった。同社の広報担当者が11日、語った。
11日の同社株価の終値は、前営業日比41円安の420円を付け、設定された下限509円を20営業日連続で下回り、
繰り上げ償還の条項に抵触した。エルピーダは資金計画の抜本的な見直しが必要になりそうだ。
MSCBは株価に応じて転換価格が変わる社債だが、今回は、転換価格の下限を509円とした。
20営業日連続で株価の終値がこれを下回った場合、残存する転換社債を償還することになっていた。
引き受け先となった野村ホールディングス傘下の企業は転換を進めておらず、
関係筋によれば「野村はエルピーダに繰り上げ償還を求める方向」のため、500億円全額が償還される見通しとなっている。
ただ、野村は来年1月7日まで最大約120億円分の転換が可能となっており、
この枠内で転換されれば、エルピーダの発行済み株式総数は最大で約18%増える。
エルピーダの株価は、MSCBの発行を発表した10月14日の翌日から株主価値の希薄化を織り込みながら急落。
11月13日に終値が477円になって以降、509円を割り込んだまま、これを上回ることがなかった。
エルピーダが主要な製品としているDRAM(記憶保持動作が必要な書き込み読み出しメモリー)の業界では、
先端設備の導入をめぐる競争が激化。
MSCBが償還される見通しとなったことを受け、エルピーダは新たな資金調達が必要になると見られる。
エルピーダは、この点に関連し「今後の財務戦略は、決まり次第公表する」(広報担当者)としている。
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