08/12/09 21:21:59
京急線日ノ出町駅前(横浜市中区)で計画されている大型再開発事業が、
大幅な見直しを迫られている。
想定していた住戸部分の売却価格が市況に見合わなくなり、販売を担当する不動産業者が決まらない状況に
陥っているためだ。売りやすくするため、住戸サイズの縮小など抜本的な見直しを余儀なくされている。
十年余り曲折を経てようやく十月に都市計画決定にこぎ着けたが、その矢先に市況の急激な悪化という
大きな壁に直面している。
再開発ビルの上層部の住宅(約百七十戸)や低層部の業務・商業施設などの大半をいったん不動産業者に
所有してもらい、負担金を納めてもらう。その負担金で建設費などを賄う仕組み。
地権者らで構成する準備組合や市によると、今年一月に不動産業者四社が名乗りを上げた。
しかし一社はまもなく辞退。現在三社と交渉しているが、合意できていない。
市況に合わせて価格を下げてしまうと、今度は工事費が見合わなくなるためだ。
今のところ計画通り来年六月の事業認可を目指しているが「経済状況が悪化しているため、業者は簡単には
決まりそうにない。暗礁に乗り上げている状態だ」(事業関係者)という。
計画は一戸当たりの面積を広く確保した設計だが、市況の悪化でこのタイプは特に売れ行きが不振。
面積を狭くして戸数を増やす方法は、都市計画決定後のため制約がある。このため見直しでは、
各戸を縮小して余った部分を高齢者福祉施設や保育施設などにする案が出ているという。
計画地は駅前交差点の角地に接した一等地。老朽化した小規模雑居ビルが密集しており、防災面での課題も指摘されている。
地権者らはにぎわいを取り戻すことも目的に、一九九四年から再開発の検討に着手した。
一度は大手ゼネコン主導の計画も浮上したが、まもなく撤退。
〇五年にようやく市内を中心とする建設業者らが後押しすることが決まり、今年十月の都市計画決定にこぎ着けた。
◆日ノ出町駅前再開発事業
約7000平方メートルを一体的に再開発し、地下1階地上23階(高さ約75メートル)のビルを建設。
総床面積約3万平方メートルに住宅、商業、業務機能を持たせる。2010年春に着工し12年春の完成を目指している。
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