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“死体水”飲んでも大丈夫?受水槽に1カ月も遺体が…
問題なしと営業再開
三重県内にあるショッピングセンターの飲料・食用受水槽に、自殺した40代男性の遺体が約1カ月間浮いていた一件をめぐる騒ぎが一向に収まらない。
遺体発見直後も営業を続けていた店側は、いったんは営業停止したものの、「水質に異常なし」として再開。それでも周辺住民の不安は完全にはぬぐい切れていない。
人間の死体が1カ月間も浮いていた水は、本当に安全なのか? 専門家に聞いた。
問題の遺体は先月27日、管理業者が受水槽内を点検した際に発見。その後の調べで、11月1日に失踪した男性と判明した。
隣接する建物の屋上から飛び降り、受水槽に落ちたが死にきれず、水槽内で首を吊ったとされている。
店内には76の飲食店があり、受水槽の水は遺体発見までの1カ月間、飲用や食用に使われていた。
地元紙が報じたことで、店側は急きょ、29日に営業を停止したが、それまでに少なくとも約1万人が水を口に含んだと推定される。
店には問い合わせが殺到したが、「検査の結果、水質基準に適合。肝炎やHIVウイルスの問題もなかった」として今月3日に営業再開。
しかし、遺体が浮いていた1カ月間についての言及はなく、管理体制への不信感も増幅。海外では「死体水」と報じられ、
店側もホームページ上の「お問い合わせ」項目を削除するなど、騒ぎは拡大し続けている。
では、実際のところ、安全性はどうなのか。数々の水死体を扱ってきた元警視庁捜査一課長の田宮栄一氏は、
「長期間、水につかっていた遺体の腐敗は深刻。発表通りなら、遺体の一部や糞尿、体液は確実に水に溶け出している」と推測する。
「裸の水死体の場合、遺体がスープのようなゲル状に溶け出すことも考えられるが、今回は服を着用し、受水槽内の水も毎日循環している。
じわじわ溶け出していったのではないか。直接的に人体に影響があるとは考えにくいが、精神的な被害は甚大」(田宮氏)
一方「ウイルスやバクテリアは確実に水に溶け出すので、男性が大きな病気を持っていたら、間違いなく大事になっていた」と話すのは、
人獣共通感染症の専門家、源宣之・岐阜大名誉教授。
「受水槽は縦約3メートル、横約12メートル、高さ約3メートルでそれほど大きくはなく、水温も10度程度に保たれていたはず。
ウイルスやバクテリアが死滅する環境ではなく、万が一、遺体から緑濃菌や大腸菌が溶け出していたら、老人や臓器移植者が日和見感染する危険も高かった。
ただ、現在まで明確な健康被害が出ていないのなら、あくまで結果論だが、人体には危険はなかったのだろう」
とはいえ、「結果論」で周辺住民の不安を払拭することはできない。元厚生省公衆衛生局長の大谷藤郎氏は、
「地元の保健所が安全宣言したのなら、ひとまずは安全に間違いないだろう。
しかし、被害者がまだ納得していないのなら、もう一度、検査プロセスや詳細な結果を公表、説明する必要がある」と、
嵐が過ぎるの待つような店と保健所の姿勢にクギを刺している。
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