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8日、シカゴ・トリビューン紙やロサンゼルス・タイムズ紙といった米国有数の新聞を発行
しているトリビューン社が、米連邦破産法11条による「破産」を現地裁判所に対して申請
したことが世界中で静かな衝撃を呼んでいる。とりわけ日本のマスメディア業界に与える
インパクトは測りしれないものがある。なぜなら、今回の破産申請は「有名マスメディアであり、
かつ多角経営を行っていても、破たんする企業は破たんする」という冷厳な現実をまざまざと
見せつける出来事だからである。「米有名メディアの破産は、所詮“対岸の火事”だ」――
そう考えると、2008年度3月期決算を控え、日本を含む各国のメディアを等しく襲っている
大きな「潮目」を完全に読み違うことになる。
新聞や雑誌といった紙媒体による活字メディアは昨年から今年夏までにかけて急騰した
原油価格の煽りを受け、一方で用紙価格の高騰、他方で輸送価格の値上がりという“二重苦”
に苦しんでいる。そのため日本では、たとえば去るゴールデンウィーク(5月)明けに販売価格
の切り上げを打ち出した有名週刊誌が登場するなど、苦肉の策が相次いでとられている。
しかし、値上げは消費者である読者が好むはずもなく、米国発の金融メルトダウンの中で懐が
寒くなっている中、読者層がかえって激減するという最悪の事態が生じている。この秋から冬に
かけて、有名月刊誌・週刊誌が休刊という名の実質廃刊に追い込まれているのはそのせいだ。
現在も発行を続ける某有名出版社の週刊誌などは、1誌だけで昨年度総計15億円もの赤字を
計上したと聞くから驚きである。
もちろん、中身で勝負しようとする雑誌メディアもあるが、そうなると自ずから「より過激なもの」
「より刺激的なもの」を求めるあまり、時に薄弱な根拠に基づくスキャンダル報道に走りがちとなる。
その結果、名誉毀損に基づく損害賠償請求、すなわち「訴訟」に巻き込まれるリスクが異常な
までに高くなっており、これがまた雑誌メディアにとって重い足かせとなっている。「(訴えられる前に
被害者側弁護士から届く)内容証明は勲章だ」などと豪語するテレビでもおなじみの有名週刊誌
編集長がいるものの、芸能人化する編集長を尻目に部下である編集者・記者たちはますます
やる気を失っているのが現状だ。
それでは同じマスメディアでもテレビはどうかというと、状況は正に惨憺たるものである。
開示されている在京キー局の08年度第2四半期決算がそのことを如実に物語っているが、その
原因として業界関係者の間で真っ先に指摘されているのが自動車メーカーによる広告の激減だ。
米自動車大手3社(ビッグ・スリー)に対する公的救済だけではなく、日本の大手自動車メーカーも
対米輸出の不振で青色吐息になっていることが問題化しつつある中、自動車セクターは全世界で
まずは広告費の大幅削減へと乗り出しているのである。これまでの原油価格高騰や温暖化効果
ガス削減といった締め付けで、ますます自動車は売れなくなっており、こうした傾向はまだまだ
続くものと考えられよう。>>2以降に続く
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