08/12/30 13:01:51 NQPyfY+X
流れ作業と作業工程の厳密な時間管理で、高効率な生産システムを作り上げたのはフォードで、95年も前のことだ。
ハイランドパーク工場でのT型フォード1台の生産時間を、
徹底して分業された流れ作業ラインとストップウォッチ計測の組み合わせによって、
導入前の原始的生産の10分の1足らずという高速にしてしまった。
しかも熟練工を極力排除して。
ただこの時点で既に、チャップリンの『モダン・タイムズ』で皮肉られるような現場労働者ボロボロという事態が起きていた。
それを「仕事の単純さの割には、高給が貰える」ことでもって補ってたわけだ。
でもフォードの場合、多くの部品を自社生産してパーツ在庫を抱えていたから、まだその面の大ロスがあった。
昭和10年代から20年代中期にかけての貧乏なトヨタは、そこを削ればコストダウンの余地がある、と気づき、
やがて大野耐一の主導による下請けまで巻き込んだJITが本格化した。
下請けはその過程で生かさず殺さずの境地に置かれながら鍛えられてきたが、
無理が行き過ぎ、鍛えるのを通り越して血を吸い尽くすような現状ではね……
トヨタにとって半世紀以上続けてきたJITから来るカタストロフが、いつどんな形で顕在化してくるのかはわからないが、
この状態だとろくなことにならないのは確かだと思う。