08/11/28 21:25:34
カブトエビを水田で繁殖させて雑草を取り除き、米を栽培する「カブトエビ農法」に、
カブトエビ研究会(酒田市、五十嵐敬司代表)が取り組んでいる。
手間いらずで低農薬が実現でき、管理や騒音が大変なアイガモ農法より優れているという。
田んぼへの定着や繁殖など課題はあるが、新たな“稲作の助っ人”として、生産者や消費者から
熱いまなざしを浴びそうだ。
この農法は、田んぼでカブトエビを繁殖させ、水田のコナギやムシクサなどの雑草を食べさせて除草するほか、
水中を濁らせて光を遮り、雑草の生育を抑える。
イネは茎が太く食べず、芽生えたばかりの雑草が食べられ、大きくなるのを未然に防ぐという。
アイガモ農法と違い、天敵から守るための管理費などがかからず、悪臭や騒音の心配もないことから
新たな生物農法として注目されている。
五十嵐代表は2005年に研究会を発足させ、06年から酒田市飯森山の水田を利用して
東北公益文科大や山形大農学部などと協力して繁殖方法や、農薬への抵抗力などを研究してきた。
1993年から取り組んでいる南陽市椚塚の農家吉田正行さん(60)は約330アールの水田で実施し、
「繁殖しさえすれば何も手間をかける必要がない。究極の除草法だと思う」と話している。
東京農業大の長島孝行准教授(53)(昆虫利用学)によると、1平方メートルの水田に30匹を繁殖させると、
1か月弱で重量にして雑草約60%を除草可能。「卵は水温20度以上の水中で孵化(ふか)する。
田んぼに水を入れる時期の判断や休耕期の管理に気をつければ実用可能」と話す。
JAそでうら(酒田市)営農販売部の村上淳一さん(43)は、
「研究が進んで除草効果が実用化できるレベルまで上がれば有機農法の一つとして広まる可能性がある」
と期待をのぞかせる。
酒田市の消費者団体関係者は、「今、お米はおいしさだけでなく、安全性も求められている。
実現すれば消費者にも歓迎されるはず」としている。
来月5日には午後1時半から酒田市の東北公益文科大公益ホールで初のシンポジウムが開かれ、
取り組みなどが報告される。
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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