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【明解要解】地方の人口流出に歯止め「定住自立圏構想」
■多くのメリット、域内格差防止が鍵
総務省が進める「定住自立圏構想」の要となる「中心市」の先行実施団体が決まった。定住自立圏は、
人口5万人以上の中心市と周辺市町村で協定を結んで地域の魅力を高め、人口流出を防ぐ圏域。
都市部への人口集中に歯止めをかけて、地方の活力を取り戻す“防波堤”となる役割が期待されるが、
圏域内での新たな人口の集中と拡散を生みかねないとの懸念も出ている。(政治部 小島優)
定住自立圏を構成するには、地域の中心となる市(中心市)と周辺市町村が協定を結ぶことが必要。
中心市には、圏域の住民の利用を想定した規模の医療機関や福祉施設、商業施設などの都市機能を
集積、周辺市町村は自然を生かした公園などを整備し、圏域全体の住民が利用できるようにする。
協定に基づく相互の連携で、圏域の住民の生活レベルや地域の魅力を高めて大都市圏への人口
流出を防ぐのがねらいだ。
先行実施団体に選ばれたのは、青森県八戸市など20市を中心とする17県の18圏域。なかには、
鳥取県米子市と松江市など県境をまたいだ複数の中心市で圏域を構成する例もある。
18圏域では、中心市が「先行実施団体」として取り組みの具体案の検討を開始する。周辺市町村と
来年度中に協定を結ぶことを目指して協議も進める。総務省は、協定が締結された段階で、「定住
自立圏」として正式決定する方針だ。
定住自立圏構想に対し、国は特別交付税での財政支援などを検討。総務省の懇談会で、年末までに
定住自立圏構想を進める手続きや支援策などを盛り込んだ要綱を策定する。
具体的な取り組みとしては、中心市に拠点病院を整備し、周辺市町村の診療所に医師を派遣したり、
圏域内で乗り合いタクシーや広域バス、離島航路を共同運行-といった計画が挙がっており、
中心市となる先行団体などが協定の交渉と並行して検討を進める。
鳩山邦夫総務相は、「地方の底力を取り戻すために、地域の実情に即した態勢、人口の流出防止策は
必要だ」と定住自立圏構想の推進に積極的な姿勢を示している。
ただ、定住自立圏が軌道に乗れば圏域の中に人口は定着するかもしれないが、今度は地域内の中心部と
その他の地域で、人口格差が拡大する恐れもある。
たとえば、自治体の職員や議員数を減らして行政のスリム化を目指した「平成の大合併」の例をみると、
合併後に新たに市役所や町役場が置かれた地域には人や産業が集中したが、周辺となった地域が
寂れる現象が顕著だ。自治体の合併とは狙いや役割が異なるものの、定住自立圏でも同じことが
起きかねない。
「過疎化の中の過疎化に拍車がかかる。お年寄りだけが取り残される町村も出てくる」と小さな町村からは、
定住自立圏が合併と同じような弊害をもたらしかねないことを危惧する声も出ている。
2008.11.26 08:23
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