08/11/19 10:23:05
世界第3位の宝飾店、イタリアのブルガリの株価が先週末、ミラノ証券取引所の取引で6年間で
最大の下げ幅を記録した。富裕層顧客の消費減退を理由に、年間収益予想を下方修正したことが
影響したとみられる。
ブルガリの株価は14日、9.1%に相当する0.47ユーロ(約57円)下落して
4.65ユーロをつけた。1日の下げ幅としては2002年11月8日以来最大で、時価総額で
1億4000万ユーロが吹き飛んだことになる。年初からの下落率は50%以上。
この前日の取引終了後、ブルガリは第3四半期(7~9月)の決算を発表し、最終利益が
前年同期比44%減だったことを明らかにしていた。同社のフランチェスコ・トラーパニCEO
(最高経営責任者)も、ホリデーシーズン中も需要が回復することはないとの見方を示した。
高級ブランド各社は世界的な景気後退の影響をまともに受ける格好となり、ブルガリでも
腕時計やネックレスの売り上げが不振を極めている。トラーパニCEOによると、業績は01年
9月の米中枢同時テロ以来最悪だという。
米JPモルガン・チェースのアナリスト、メラニー・フルケ氏(パリ在勤)は14日付の
リポートで「イタリア、日本、米国のどの地域も需要が減退している」と述べ、「特に腕時計の
売り上げの落ち込みが激しい」と指摘した。またブルガリの株価予想を5.60ユーロから
5.10ユーロに下方修正し、投資判断を「ニュートラル」とした。
ブルガリの四半期決算を受けて、投資銀行ドレスナー・クラインオートのアナリストは投資家に
同社株を売却するようアドバイス。ドイツ銀行なども株価予想を引き下げている。
日本を除くアジアでの第3四半期の売り上げの伸び率は7%で、期初から9カ月間の
伸び率である18%の半分にも満たなかった。
先述のフルケ氏は「景気減速は明らか」とし、特に需要が弱い市場としてマレーシアと
シンガポールを挙げた。
仏ファッション大手のモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)の売り上げ状況も、
高級ブランド企業が低迷を続ける中、例外ではない。その中でも、中国での低迷は相当影響を
及ぼすだろうと担当者は言う。
コンサルタント会社、ベイン・アンド・カンパニーは、高級ブランド業界の09年売り上げは、
経済の低迷と金融市場の混乱を受け、消費者が支出を抑えるため、過去10年で初めて、
減少するとの見通しを示した。
メリルリンチのアナリスト、アントワーヌ・コロンナ氏は、調査リポートの中で、中国の
経済成長は今後「一けた台半ば」になるとの予測を基に、「ファッション業界は、経済の
重力(低迷)には逆らえない」と報告した。
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