08/11/01 22:32:48
通年使用でき、灯油価格に左右されない暖房機として、燃焼暖房からエアコン暖房に切り替える
消費者の動きが顕著だ。日本ガス石油機器工業会によると、2007年度の石油ファンヒーターなど
石油暖房機器の販売額は前年度比17%減の574億円で、08年度も微減を予想している。一方、
07年度のエアコンの販売額は、同8.2%増と好調だ(GfKマーケティングサービスジャパン調べ)。
今冬を「エアコン普及拡大の年」と位置づける電機メーカーは、暖房性能を高めて需要を喚起し、
年末商戦に投入する。
エアコン需要増は業績にも影響。08年9月中間連結決算を10月28日に発表したパナソニック
の大坪文雄社長は、23年ぶりの最高益の要因の1つに白物家電をあげ、なかでもエアコンの好調
ぶりを強調した。その勢いを年末商戦につなげようと同社は販促を強化。従来、夏場が過ぎると
縮小していた家電量販店のエアコン売り場に「体感コーナー」を設置し、他社に先駆けて10月21日、
「Xシリーズ」11機種(店頭価格は20万円前後から)を投入した。消費者が抱く「暖まらない」「肌が
乾燥しそう」といったマイナス材料を払拭(ふっしょく)しようと懸命だ。
新製品は、立ち上がり時間を従来機の約半分に縮め、すぐに温風が足元へ届くハイパワーを実現。
さらに、水に包まれた微細なイオン「ナノイー」を部屋に拡散することで、肌水分の蒸散を抑えるという。
「エアコン市場の伸びとあわせ、高性能製品を店頭で体感してもらいながら、買い替え需要を創出
したい」と筧淳石(かけひ・あつし)空質商品チーム参事は力説する。
うるおい性能では元祖、ダイキン工業も21日に「うるるとさらら(Rシリーズ)」9機種(18万8000円
前後から)を発売する。外気湿度を測り室外の水分を取り込む加湿機能「うるる加湿」に新センサー
を搭載。効率化と省エネを実現した。
三菱電機も暖房性能の強化を進める。10月31日発売した「霧ヶ峰ムーブアイ」(19万8000円
から)は、床温度や人の居場所、扉の開け閉めといった部屋の温度変化を認識するセンサー
「ムーブアイFit」の機能がウリ。冷たい足元などを確認し、約60度と高い温風を勢いよく送るなど
「それぞれの生活シーンに合った気流を自在にコントロールする」(広報部)ことで、快適な室内環境
を実現する。
【予報図】■高価格でも多機能、売れ筋に
市場調査会社のGfKマーケティングサービスジャパンによると、08年度上期(4~9月期)の総合
家電の販売額は前年同期比2.7%増と微増のなか、突出した伸びを見せたのがエアコンだ。7月
の猛暑を受け、11.3%増と前年同期を2けた上回った。原油高騰によって石油ストーブの需要が
落ち込む一方、エアコンは昨年度からシェアを伸ばしている。特に高価格商品が売れ、気流コント
ロールなど多機能、高機能な商品が売れているという。その傾向は08年度下期もさらに顕著になる
とみられる。
GfKは、08年度はエアコン暖房の普及拡大の年、と位置づけており年末商戦に期待できるカテゴリー
の1つという。
画像:エアコン売り場は冬でも体験コーナーを設置、客足も耐えない=ヨドバシカメラ
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ソース:フジサンケイビジネスアイ
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