08/10/24 02:49:04
ヌリエル・ルービニ・ニューヨーク大学教授(経済学)は23日、危機が投資家の一斉売りを引き起こし
数百本のヘッジファンドが破たん、当局は1週間以上にわたり金融市場を閉鎖しなければならなくなる
恐れもあるとの見方を示した。
同教授はロンドンでの会議で発言し、「完全なパニック状態に達した」として、「大量の資産投げ売りが
起こり、数百本のヘッジファンドが倒れるだろう」と語った。
世界各国当局は協調緊急利下げや銀行救済で金融危機に歯止めをかけようとしているが、先進7カ国
の金融市場で取引を停止するには至っていない。
ヘッジファンド会社GLGパートナーズの共同最高経営責任者(CEO)、エマニュエル・ロマン氏もルービニ
教授と同じ会議で、ヘッジファンドの最大 30%が閉鎖に追い込まれるとの見方を示した。
ルービニ教授は会議で「システミックリスクは膨らみに膨らんだ」として、「ヘッジファンドの多くから、資金
が大量流出し始めている。向こう数日内に当局が市場を1、2週間閉鎖しなければならない事態も想定して
おいた方が良いかもしれない」と語った。
イタリアのベルルスコーニ首相は10日に、各国首脳が世界の金融市場を閉鎖することを協議していると
発言し市場を動揺させた。同首相は発言内容を撤回した。
GLGのロマン氏は「適者生存という法則に従った形で、多くのヘッジファンドが姿を消すだろう」と語った。
ヘッジファンド業界の年初来の成績は20 年で最悪となっている。9月は10年で最悪だった。
ルービニ教授は「新興市場でも事態は相当悪くなっている」として、「米国がくしゃみをすると世界がかぜを
引くという言い回しがあるが、米国は今やしつこい慢性の肺炎にかかったようなものだ。新興市場はひどい
状態になるだろう」と話した。
新興市場国の国債のスプレッド(米国債との利回り格差)はこの日、6年ぶり高水準に達した。アイスランド
やパキスタン、ハンガリー、ウクライナに続き、ベラルーシも22日、国際通貨基金(IMF)の緊急融資を申請した。
ルービニ教授は、「12カ国前後の新興国が今、深刻な金融危機に見舞われている。小さな国であっても、
世界経済に対しシステミックな影響を与えることは可能だ」とし、「苦境にある国すべてを救済するだけの資金
がIMFにはない」と指摘した。
同教授は今月、米経済が40年で最悪のリセッション(景気後退)に陥るとの見通しを示した。「これは米国、
欧州、そして今や新興市場にとって、長い間で最悪の金融危機だ。事態は改善する前に大きく悪化するだろう。
最悪の事態はこれからやってくると思う」と同教授は語った。
▽ソース:bloomberg. (2008/10/24 00:33)
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