08/10/24 01:55:52
車載用マイコン(MCU)市場を巡り、半導体各社の開発・市場獲得競争がヒートアップしてきた。
自動車といえども低消費電力化が厳しくなる一方、複雑化する制御系車内LANなどの登場で、
安全面などからマルチコア化の流れも加速する。また、プログラムの膨大化もあり、「搭載する
組み込みフラッシュの大容量化は避けられない」(大手半導体メーカー)とされ、微細化プロセスを
追求するとともに、コストに見合った新たな製造プロセスの導入や、MRAMといった新型デバイスの
組み込みも話題になってきている。車載用マイコンは、ここに来て市場の不透明さだけではなく、
技術的にも大きな転換点を迎えようとしている。
◇自動車販売台数に陰り
車載用半導体市場は、高度な品質レベルと低コストを同時に要求されるため参入障壁は高いものの、
いったん自動車・電装メーカーに納入が実現すれば安定した市場として半導体メーカーにとっても魅力
は大きい。しかし、最近はガソリン価格の高止まりに加えて、米国のサブプライムローン問題を引き金
とした金融市場の大混乱で、世界の自動車販売台数に陰りが見えてきているのが気がかりだ。これまで
は安定した市場とみられていた自動車分野だが、販売台数の低迷が今後長引くようであれば、半導体
業界へのインパクトも決して侮れなくなる。
環境・安全・快適性能を追求した自動車開発が加速する中で、搭載されるECU(エレクトロニクス・
コントロール・ユニット)の数も増える一方だ。その中でも、重要なシステムの制御をつかさどる半導体
としてマイコンがあるが、こうしたクルマに搭載される数も増加傾向にある。最新の高級車には100個
以上の MCUが搭載されているという。
そのマイコン市場だが、2007年の車載用半導体市場規模は180億ドル前後と推定され、このうちの
3割程度(6000億円)を占めるとされる。一部に、MCUの搭載数を引き下げようとする動きも出てきて
いるが、今しばらくは、半導体の平均成長率を上回る6~7%は可能とする見方が有力だ。
▽ソース:半導体産業新聞 (2008/10/22)
URLリンク(www.semicon-news.co.jp)
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