08/10/23 01:41:28
>>1の続き
このほか、注文ハガキで間違いがあった顧客への電話連絡、給与計算、労務管理にも着手するなど、
中国に移管する仕事の幅は徐々に広がりつつある。
さすがに顧客からの電話の受信は、顧客がどんな用件でかけてくるのか予測できないため日本人が対応しているが、
「それ以外の業務でマニュアル化できるものは全て中国人に移管したい」と考えている。
驚くことに、同社はこの業務移管により「注文ハガキの処理などに従来かかっていた人件費など経費の約50%を節減でき、
年間で1億6000万円のコストカットを実現できた」(市場常務)というのだ。
このような例はニッセンばかりでなく、中国へのアウトソーシングはさまざまな業界で進んでいる。
中国におけるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を手がけるインフォデリバによると
「日本語データ入力などの業務はどこの企業でもある仕事なので、業界を問わず関心を示す企業が増えている」という。
日本語のハガキ、ファクス、アンケート、年賀状、受験票の入力のほか、
組版、図形、紙で保存されていたドキュメントのデジタル化移行などの業務だ。
生保や損保業界でも事務センター業務を移す動きが目立っているという。
住友化学では出張旅費の精算の一部を中国に移管した。
日本語入力ではないが、中国に古くから拠点を持つ外資系企業も、以前からアウトソーシングに積極的。
日本ヒューレッド・パッカード(日本HP)などは、大連にある米HPの拠点を活用し、
大規模な日本企業向けコールセンターを設置していることで有名だ。
ホワイトカラー業務を日本国内で行なうメリットは消えた
こうした動きを受け、中国政府もサービス産業振興の柱としてBPO事業の重視に乗り出した。
大連、上海など11都市を「国家軟件服務(ソフトウエアサービス)外包基地」に指定。
この中には内陸部の西安や成都も含まれており、大学での日本語教育の充実など、人材育成や企業誘致に取り組んでいる。
企業にとってみれば、バックオフィス的な業務の一部を海外にアウトソーシングして効率化を図ることでコストカットに結びつき、
そのぶん、国内でより高付加価値の業務にシフトできるというメリットがある。
ニッセンのケースを見てもわかるとおり、
「もはや国内でホワイトカラー業務を行なうコストメリットはない」と言わんばかりの勢いである。
>>3に続く