08/11/11 19:35:27 UPoodfXe
>>711
いい質問ですね。
まず、歩の突き捨ての定義から始めよう。
例えば、角換わり腰掛銀同形の戦型で、先手が▲15歩、▲3五歩、▲4五歩、▲7五歩と
矢次早に突いていく定跡が有りますよね。「開戦は歩の突き捨てから」
先手と後手の歩が一マスあけてにらみ合っているのは将棋ではよくある形。
その状態から、必ずしも直ぐに取り返す目的ではないのに、歩を突いていくことを
歩の突き捨てといいます。
そうじゃなくて相掛かりの戦型で▲2四歩▽同歩▲同飛と直ぐ取り返す場合は、
歩の突き捨てとはいいません。これは飛先歩交換、または飛先交換といいます。
先の例で▲15歩とする狙いは、先手の歩を切って将来、▲1二歩または▲1三歩と打つことです。
二歩のルールがあるから、▽1四歩▲1六歩の形だと、こういう歩は打てない訳です。
つまり邪魔な歩を相手に取らせて盤面から消去することなのです。
ただし、後手に相手してもらえないと▲1五歩は緩手になる可能性があります。
終盤の忙しい局面で、▲1五歩と指すと一手パスになり速度争いに負ける可能性があります。
これを「証文の出し遅れ」といいます。
といって早すぎてもいけない。歩の突き捨ては相手に歩を渡すので、その歩を反撃に使われます。
また▽1五歩が▽1六歩、▽1七歩成と進んできて先手の飛車を脅かすリスクがあります。
早すぎると反撃され、遅すぎると一手パスになる。だからタイミングが重要です。
そして歩の突き捨てを敢行した以上は攻めを続けないといけないのです。
歩を突き捨ててから自陣を整備しているようでは、相手の反撃が間に合ってしまいます。
だから角換わり腰掛銀同形は玉形を整えながら、どちらが先に仕掛けるか間合いを図り、
行くとなったら、休まず攻めを継続しなければならないのです。