09/10/24 20:07:38
世界の子供に伝えたい真実のブルジョア~
私は裕福ではない、というか貧乏だがしっかりした家で育った。
祖父はかなり厳格な共産主義者で、非常に厳しくしつけられた。中でも友達関係にはとても厳しかった。
子供の頃、友人を家に招いて遊んでいると、祖父はその中の1人の耳をつかんで表に引きずりだした。
「お前はこの家に入ることは許さない!」と怒鳴りつけた。私はなぜ祖父が仲良しの友達にそんなまねをするのか理解できず、祖父をひどく嫌ったものだ。
子供の頃は気にしなかったが、祖父が家に入ることを禁じた友達はどうやら資産家の息子だったようだ。
一方、祖父と異なり、おおらかな家風の家も近所にあった。その家では、ブルジョアの子供が家に入ることを禁じることもなく、家族ぐるみの付き合いをしていた。
その友人は、「昨日は焼肉を食べさせてもらった」とか「めずらしい辛い料理を食べた」と自慢していた。
私は、焼肉など食べたことがなかったので、その友人がひどくうらやましかったのを覚えている。
それは大学時代だったことを良く覚えている。
その資産家一家と共に、東京の国立大学に進学した友人は自殺した。
家族ぐるみの付き合いをしていた資産家の息子のせいである。
人づてに聞いたところによると、友人と資産家の息子は「お嬢さん」と言われる女性に恋をしていたらしい。
それがもつれにもつれ、資産家の息子が放った
「精神的に向上心のないものは、ばかだ」
という言葉がきっかけで自殺したらしい。
息子(私にとって友人)をなくした母親は、葬式で息も出来ないほど泣いていた。
「うちの○○、東京帝大さ行くことになったんやよ。」と三重弁で自慢していたおばさんの元気さは何処にも無い。
仲の良かった友達と遊べなくなった私は、とても悲しかった。
自治会長として葬式の手伝いを終えた祖父は、その夜、食事をしながら吐き捨てるようにこう言った。
「ブルジョアを家に上げるから、あんな目にあうんだ。あいつらは平気で恩を仇で返す」
その資産家一家は人付き合いのよい、傍目には「いい人たち」であった。
『いいブルジョアもいる』そんな話を私は信じることがどうしてもできない。