09/05/21 12:54:51
>>938
モンゴル帝国軍の場合、モンゴル民族のみで構成された騎馬部隊は、
まんま遊牧民集団なので、食料・皮革の原材料となる羊とともに移動する。
つまり羊の餌となる草地さえあれば、戦闘部隊に生存には困らないていどの兵站機能は常に至近距離に存在することになるので、心配がほとんどない。
遊牧民の集団を定住者的な国家と対比させて、「戦争機械」と称する現代思想家もいるほど。
もっとも、中国、中東、ロシアの諸地域を帝国に内包した段階では、
非遊牧民の歩兵、騎兵も多数動員され、遠征の場合、それらの兵糧は現地調達で賄うほかなかった。
まあ、モンゴル帝国だけではないけれど、古今東西、どの時代においても、現地調達、即敵地における略奪とは限らない。
食料の類いは普通は金出して買う。
金出しても売らなきゃ、脅迫して強制的に徴用。
物理的に抵抗するなら、本格的に略奪……というステップがあるのが普通。
まあ、大昔の非遊牧民の軍隊にも、随伴ないし後送の輸送部隊がないわけではなかった。
ただ、あまりにも輸送能力が低く、スピードもなく…
というわけで、ほとんど全部を現地調達に頼らざるを得ないというわけ。